ふたご座
わたし、ようやく春
潔くわたしになる
今週のふたご座は、「春泥を拭へば一円玉となる」(仲寒蝉)という句のごとし。あるいは、ふっと軽やかな光を帯びていくような星回り。
泥まみれのコインを指で拭うと、雲間から白い太陽が顔を出すように、アルミの1円玉が現れた。500円玉の威厳もなければ、100円玉ほどの人気もない。そんな吹けば飛ぶような軽みが特徴の1円玉だけれど、だからこそ掲句はどこか晴れ晴れと清々しい。
と同時に、自分自身を重苦しく扱いすぎないふたご座の人らしい潔さもまたそこに出ているようにも感じられます(作者はふたご座生まれ)。
泥まみれとなって1円玉は泣いているのだろうか、それとも笑っているのだろうか。あえて問えば、答えはおそらくはその両方でしょう。ここでは、その眼差しは自然と自分自身に返ってきています。
16日(日)にふたご座から数えて「スタイルの決定」を意味する6番目のさそり座で下弦の月(意識の危機)を迎えていく今週のあなたもまた、今のあなたにちょうどいいロールモデルを意識していくといいでしょう。
ピカソの場合
一生で何度も違う絵描きになったと言われているパブロ・ピカソですが、それは一般的に思われがちな成長の結果や変遷とはずいぶん違っていたようです。
「わたしは発達などしない。わたしはわたしだ」
「絵は部屋を飾るためにつくられるのではない。私は古いもの、芸術を駄目にするものに対して絶えず闘争している」
「ようやく子どものような絵が描けるようになった。ここまで来るのにずいぶん時間がかかったものだ」
彼のこうした言葉からは、禅語の「日々是好日」に似た境地を感じます。
そして今週のふたご座もまた、何よりもまず自分自身からの影響で、新たに自分を創りだしていくことを意識していきたいところ。
今週のキーワード
わたしはわたし