ふたご座
闇夜の下で裸体となる
洒脱と俯瞰
今週のふたご座は、「死に方をみんなで褒めて菊膾」(円城寺龍)という句のごとし。あるいは、みずからの目的追求への献身を促されていくような星回り。
「菊膾(きくなます)」は食用菊の花びらをさっと茹でて、三杯酢で和えた料理で、酒の肴としても好まれてきた一品。掲句では、通夜ぶるまいで出てきたのだろうか。
生きたいように生き切って大往生を遂げたのか、あるいは家族に負担を遺すことなくぽっくり逝ったのか。
いずれにしても、「死に方をみんな褒める」なんて、穏やかではない。死に方とは、すなわち生き方であり、そんなことがあり得るとしたら、一体どんな風に生きてきた人なのか。
少なくとも、ただ定年や死を待つだけの人生ではなかったであろうし、ただ周囲が何とかしてくれることを期待して、何も知らない、見ようともしない人間として死んだ訳でもなかったはずだ。
掲句に描かれた光景はどこか不穏だが、それを菊膾なんかをいただきながら、平然となごやかに行ってしまえるのも人間世界の味わいであり、面白いところなのかもしれない。
今週のあなたもまた、食卓で誰かと酒でも酌み交わしながら自身の死に方を問うてみてはいかがだろうか。
冬の星座を思い描こう
例えば、オリオン座や1等星のシリウスを含むおおいぬ座なんかは冬の星座の代表格であり、今のシーズンに思い浮かべるにはまだ少し早すぎる星座と思われることでしょう。
ただ、今のあなたはそんな風に、すこし先のこと、暗く厳しい先行きを見通していく頃合いにちょうど入ってきているのだと言えます。
乾いた空のはるか向こうの空の果て、ひしゃくの形で垂直に屹立している北斗七星は、さながらタロットの「星」のカードのように、暗く先の見えない状況に差す一条の光のような「希望の元型」とも重なっていきます。
とは言え、それはしがらみばかりのこの世界で、自分をまっさらな状態に置けた時に初めて見えてくるものであり、受け入れていくことができるものでもあるはず。
今週は体の半分を闇に溶かしつつ、「どんな闇の中にも光は存在するのだ」というつもりで、自らの明るい未来を力強く宣言していくといいでしょう。
今週のキーワード
タロットの「星(スター)」