ふたご座
自分のために出し尽くす
死角からこんにちは
今週のふたご座は、「放尿のきらめきに似て芝桜」(澤田和弥)という句のごとし。あるいは、どうしても抑えきれず漏れ出してしまったものを、素直に見つめていくような星回り。
一読して、やりすぎだと思う人もいるかもしれませんが、自分であって自分でないような言葉が口をついて出てしまうことがあるように、同じ作者名が付されていてもそこに宿った実質にある程度ばらつきが出てしまうのはやっぱり致し方ないことなのだと思います。
そもそも一貫性のある価値ある個性だとか、本当に存在する唯一の自分なんて、近代社会の作り出した「青ざめた金太郎飴」みたいな幻想に過ぎません。私たちひとりひとりの内にも「自分でないような自分」とか、さまざまな「黒歴史(過去の亡霊)」や「認めたくない影」のようなものが意識の各層において蠢いているはず。
その意味で、火星がふたご座に入ったばかりの上、5日(金)には全天体が順行のまま新月を迎えていく今週は、誰か他の人のためでなく、他ならぬ自分のために出すべきものを出し尽くしていくことがあなたのテーマとなっていきそうです。
三寒四温
毎年春を迎え、そろそろ本格的に暖かくなってきたかなという日が続くと、今度は寒さがぶり返してくる、ということが何度が繰り返されますが、こういうことは運気の流れにもよく起こってくることです。
ただ、もうすっかり季節が春に変わったのにも関わらず、過ぎた冬を思い出したかのように唐突に寒さが戻ってくる日があったら、それはまだ心の中で解消しきれずに残っていた‟恐れ”のせいかもしれません。
とはいえ、そういう現象を必要以上に問題視したり、重く受け取る必要はないでしょう。
環境へと適応しきれなくなった身体が、自身を調整するために風邪をひくように、きちんと熱を出して、汗をかき、一通り症状が落ち着くまで大人しくしておくこと。思わず脳裏に浮かんでくる「影」や「亡霊」というのも、出てくること自体に必然性があるのです。
もし恐れが開いたのなら、風邪をひいたのだと思って、ひと段落するまで慌てず落ち着いて時間を取りましょう。
今週のキーワード
野口晴哉『風邪の効用』