やぎ座
予兆と展望への努力
「鯰絵」に対する視点の置き所
今週のやぎ座は、<運気の地殻変動>が起きていくような星回り。あるいは、表面化してきた予兆の奥にあるものへあれこれ考えを巡らせ、望ましい変化をみずから促していくための算段をつけていくこと。
金曜日に月がやぎ座へ入り、土星と冥王星という社会的現実の枠組みと支配原理とを司る2つの星とも重なっていく今週は、今後の長期的な展望について何らかの予感を受けとっていきやすいタイミングと言えるでしょう。
チベットでは昔から地震があると聖者が生まれると信じられており、温泉などにつかっている時に地震が起きると、そこに居合わせたチベット人がみんな喜んで「また生まれた」と言っていた、なんて話をどこかで読んだことがあります。
その点、地震が起きるとナマズを持ち出す日本人はやっぱり海洋民なんだなぁという気がしてきます。
実際の鯰絵を見ていますと、ナマズが地震を起こしたことを謝罪していたり、震災復興を手伝ったりと、実にさまざまなパターンがあることが分かってくるのですが、オランダの文化人類学者アウエハントが書いた『鯰絵ーー民族的想像力の世界』(1964)を読むと、そこでは地震をただ非日常的な大災害として見ているだけではなくて、慌てふためく民衆の中で喜んでいる材木商や大工を見つけたり、炊き出しをしている大金持ちがいて、みんながそれを喜んで受けとっている点に着目したりしている。
つまり、経済学や商業の視点がベースに入っているんですね(こういう視点はなかなか日本人からは出てきにくい)。
今のあなたにとっても、場当たり的なサバイバルに留まるのではなく、今後の自身の展望の中にどうやってそうした視点を組み入れていけるかが問われているのだと言えるでしょう。
地下で仕事を続けよ
バートランド・ラッセル版『幸福論』の「不幸の原因」という章の中で、彼は悩みごとの解決法として「意識の無意識への働きかけ」ということをすすめています。
たとえば、何かむずかしい問題について考えねばならないとき、最上の方法は精神を集中して数時間、あるいは数日間考え、そのあとは「この仕事を地下で続けよ!」と無意識に命令することであると。
そして、しばらくして気が付いたとき、もう自分でその問題を解決してしまっているのだと彼は言うのだ。
彼が97歳まで、実に旺盛に執筆や講演など各方面で活躍を続けることのできた秘密は、もしかしたらここにあるのかもしれません。
彼くらい気丈に無意識へ命ずることはできなくても、今週まずはナマズと意志の疎通をはかり、上手な付き合い方を模索してみることから始めてみてはいかがでしょうか。
今週のキーワード
エコノミクス(経済学)の語源