やぎ座
狂気的満足を求めて
正常でいられる範囲
今週のやぎ座は、タンザニアのハッザ族の男たちのごとし。あるいは、親友の上限を見定めていくことで、人間関係のストレスを減らしていくような星回り。
東アフリカ・タンザニアのエヤシ湖周辺で1万年前と変わらぬ狩猟採集生活を送る少数民族ハッザ族のデータを見ていくと、たいていの男はいつも3~4人の決まったメンバーとチームで狩りに出かけ、あとの時間は家族とのコミュニケーションに終始しています。
おそらく、現代に生きる私たちにおいても本来いわゆる「親友」と呼べる数の上限は、これくらいなのではないでしょうか。
SNSで1万人のフォロワーがいても、Instagramにアップした写真にイイねが100以上つくようになったとしても、感情は「興奮」するばかりで決して「満足」や「安心」などのシステムは活性化してくれはしない。
そもそも、人間の脳というのは人間関係をつくるのが苦手なのではないかとさえ思いますし、おそらくはそうでしょう。
ジャンプの漫画の主人公のように、たくさん友達を作る必要もないし、たくさん友達がいた方が人として価値が高い訳ではないのです。
今週のあなた はある程度親密な人間関係のキャパを決めて、それ以外とは一定の線引きをしていくくらいのつもりで過ごしてみるといいでしょう。
狂わなければ友ではない
鎌倉時代に生きた明恵上人というお坊さんのエピソードには変わったものが多いのですが、中でも好きなのは、かつて草庵を結んでいた島を懐かしんで手紙を書いた話。
島の人にではなく、島に手紙を出して弟子に届けさせたんです。書き出しは「しばらくご無沙汰したが、お変わりないか」。
明恵上人はその手紙の中で、物いわぬ相手に手紙を出せば、世間から物狂いと見られるかも知れないと思い、これまで手紙を出すのをためらっていたと事情を説明しつつも、しょせん物狂わしく思えないような相手ならそれ友だちじゃないよね、なんて書いている。
きっと明恵上人にとって、その「島」は切っても切れない親友のひとりだったのでしょう。
彼は『夢日記』を遺した人物としても知られており、文字通り夢に狂った人でもありましたが、それは現実以上に現実的でなまなましく彼を支えてくれたものだったのでしょう。
狂っていてもいい。あなたの近くには、そう思える相手はいるでしょうか?
今週のキーワード
人付き合いはちょっと破綻しているくらいがちょうどいい