かに座
連鎖は続くよどこまでも
ブロックを消していく作業
今週のかに座は、テトリスの連鎖のごとし。すなわち、これまで重ねてきた自己の来歴がリズミカルに整理・合併されていくか、積み上げ過ぎた物事が噛み合わなくなってキャパオーバー状態になるか、分かれていくような星回り。
さまざまな形のブロックは、これまで残してきた実績や自分なりの手ごたえ。今週はあなたと社会との間で、これまで積み重ねてきた全ての流れに対して、ひとつの区切りを迎えていくことになるかもしれません。
あなたはそこで、いかに自分を支えてもらっている同志や先達を見つけ褒め称えることができるか。そしてその一方で、それらに吸収されずに残る個人としてのこだわりやもやもやを見出していくはず。
うまくいけば、10連鎖、15連鎖ときもちよく自分の立場や方向性が整理されていくでしょうし、ただひとつの判断の誤りが褒め称えるべきものとこだわるべきものとを混同を招いてしまうこともあるでしょう。
自分を拾い集める
「馬鹿はいつまでも馬鹿でしかない」と昔の人が言いました。馬鹿な方が統治がしやすいとかで、愚民政策で馬鹿になることが奨励されていたんでしょうか? それとも誰も自分が馬鹿だと教えてくれる人がいなかったからでしょうか?
馬鹿の定義はいろいろありますが、総じて当事者意識がない点は共通していると思います。ところが時に人は、ふっと自分が何者なのか、何をしているのかを誰かから教えられることがあります。
エリック・ホッファーは砂金掘りに出かけた冬に、モンテーニュを読んで「自分のことを書いている!」と思ったそうですし、同じことを松岡正剛は稲垣足穂の『男性における道徳』を読んだときに思ったそうです。
「これこそ自分だ」と思えるようなことを書いてくれている誰かと出会えたかどうかで、人は意識がガラリと変わっていく。今週はそんな言葉の欠片をていねいに拾い集めていくこと。
そして、それを今の自分と照らし合わせて、きちんと過不足を認識していくことが重要なテーマとなっているのだと言えます。
今週のキーワード
言葉の過不足