かに座
不惑の頃合い
孔子の本来の意図
今週のかに座は、「四十にして惑わず」という孔子の言葉のごとし。あるいは、固まりだした自分を、あえて壊していくような星回り。
『論語』を読んだことはなくても、この言葉は聞いたことがあるという人は多いでしょう。
「子曰わく、吾十五にして学に志し、三十にして立ち、四十にして惑わず、五十にして天命を知る。」
30歳でひとり立ちして、40歳で人生に迷いがなくなった、と。前者はともかく、後者まで言い切れる人が果たして世の中にどれだけいるでしょうか。ここでやっぱり孔子はそう言い切れる特別な人間で、自分とは違うんだなと思ってしまった人は少し待って下さい。
というのも、孔子が生きていた時代、「惑」という字は「区切る」という意味で使われており、したがって先の一文も、「四十にして区切らず」という意味になってくるからです。
40歳くらいになってくると、どうも人は自分を区切ったり固めたりしがちで、自分ができるのはせいぜいこれくらいとか、自分の専門外のことはできるはずがないなどとと思い込み始める。ですが、あえてそういう自己限定をぶち壊してみようというのが、孔子の意図だったのでしょう。
今週は9日(火)に上弦の月を迎えるだけでなく、かに座を運行中の太陽が「制限と伝統」の土星と向かいあっていきますが、それはかに座の人たちにとっていまがまさにこうした「不惑」の壁と対峙していくタイミングであることを告げ知らせてくれているようです。
交差と脈動
結果として、今週はかつて抱いたものの断念したり忘れていた思いが再燃したり、止まっていた時間が流れ始めたりといったことが起きてくるかもしれません。
これはよく使う言い回しなのですが、英語の「nexus」という言葉には、連鎖とか結合体という意味があって、また「passage」には推移や通貨といった意味がありますが、「不惑」ということは、2つの意味を交差させ脈動させていくようなところがあるのだとも言えます。
その中で、何か新たに関係を結んでいくようなエネルギーが生まれてきたり、それと同時に自動的に過去のデータを消去していったり、はたまたフォルダが整理されていくうちに、「天命」ということもまた、不意に浮上してきたりする訳です。
今週は積極的に、さまざまな関係性に変化を引き起こしていくつもりで過ごしていきたいところ。
今週のキーワード
タロットカードの「塔(タワー)」