かに座
直感だけが教えてくれるものがある
かそけきものの消息
今週のかに座は、小さくてかすかな泡が水面に立ち昇ってくるのを見つめる子供のごとし。あるいは、そこで一瞬しか訪れない、一瞥した世界との再会を経験していくような星回り。
「前へ、ならえ!」的号令に慣らされた私たちの世界では、よそ見やわき見は見つかり次第に排除されるべきものとされ、いつまでもキョロキョロしていたり、何もないところを眺めていたりするとすぐに「変な人」と見なされ、浮いてしまう。いや、浮かされてしまう。
ですが、誰もが子供の頃にそうであったように、私たちには「地球環境」や「日本の未来」などといった大文字の現実からこぼれ落ち、あっという間に水面下へ沈められていく“わずかな、微妙な、かそけきもの”の声や消息を追い、あちらと目線があってハッとしたいというあこがれを持っている。
今週のあなたは、どこかでそうしたよそ見やわき見を通してしかレセプトできない、世界からこぼれ落ちていった思いや記憶などと、再び結びついていこうとするはず。
そしてそれは「メディアとしての自己」という感覚をまざまざと甦らせていくきっかけなのだとも言えます。
明るい直感
子供的なわき見やよそ見というのは、大人になってくると、得てして「直感」の問題として意識されることが多いように思います。
例えば、ホームに入ってきた電車の窓ガラスに反射した強い光や、不意に目に飛び込んできたはじけるような誰かの笑顔。あるいは、ブルーライトに照らし出された幽霊のような文字列の中でそこだけ不思議と光っているような文章であったり。
そういう見た瞬間に、内側から希望なのか情熱なのか分からない、明るさとしか言いようのものが湧いてくる感覚を、なぜだか私たちはすでに知っている。
これもまたかそけきものの消息を追って一瞥した世界との再会と言えるのではないでしょうか。
今週のあなたもまた、そうした感覚を掴んでいくことで、思わずわっと嬉しくなるような瞬間と立ち会っていくことができるはず。
今週のキーワード
メディアとしての自己は受信待ち