おひつじ座
躊躇なく、癖なく
拒絶の手口
今週のおひつじ座は、「花ざくろピカソ嫌ひは肉嫌ひ」(大木あまり)という句のごとし。あるいは、大胆かつ鮮やかな手口で“拒絶”を繰り出していくような星回り。
ピカソ嫌いの自分は肉嫌いであるという、作者の内面吐露と強烈な朱色の「花ざくろ」に取り合わせが鮮やかな印象を刻印する一句。
ピカソほど偉大かつ成功してしまった画家は、芸術家のあいだではどうしても好き嫌いが分かれるところですが、きっとあの強烈な肉感性や激しい感情表出などから肉食家のイメージを連想し、作者はそれに対する激烈な拒絶を内から促したのでしょう。
これを主観であり決めつけだと言ってしまえばそれまでなのですが、それでもこういう風に言われてしまうと、周囲はもうそれを受け入れるしかなくなるのではないでしょうか。
7月2日に自分自身の星座であるおひつじ座で下弦の月を迎えていく今週のあなたもまた、自分にとって受け入れがたいものが何であるのかということやその表明の仕方について、いい加減にケリをつけていきたいところです。
習得すべき技術としての「素直さ」
例えば、「素直である」とは、一般的に飾り気のない、ありのままの素朴さを言い、幼く従順であることとセットのように思われますが、辞書で調べると、他にも「技芸などに癖がない」という意味が出てきます。
これは私たちがどんな仕事であれ多少なりともキャリアを重ねていくと、経験値が増えていくと同時に、どうしても癖がついてきて、「その人なりの味が出てくる」と言えば耳障りはいいですが、当初の柔軟性が失われるだけでなく、仕事や職業、特定の役割そのものに執着が湧いてくることの裏返しなのだとも言えます。
その意味で、「素直さ」とは子供時代よりも大人になってから改めて重要性が増してくる特性であり、ある種の“技術”として習得し習熟していくべきものなのだとも考えられるのではないでしょうか。
いま、自分に何かに夢中になれているか、それによって自分は幸せか。そういうことに意識的でいられれば、自然と特定の「職業」や「役割」にしがみつくこともなくなり、拒絶するにしてもケレン味はなくなっていくはず。
今週のおひつじ座は、そもそも自分を幸せにすることができるのならば、やっている仕事や就いている職業は何でもいいのだという柔軟性を改めて取り戻していくことがテーマとなっていくでしょう。
おひつじ座の今週のキーワード
技芸などに癖がない