おひつじ座
稀なる相手を探して
麒麟は余計な手を出さない
今週のおひつじ座は、伝説の聖獣・麒麟(きりん)のごとし。あるいは、過剰な干渉の声を制して、自らの中に自然と生じてきた純粋さや自然さを守っていくこと。
『説文解字』という3世紀頃の書物によれば、麒麟とは「龍の頭部」に「鹿の胴体」で、「頭に一角」があるとされ、この一角がただの鹿との決定的な違いなのだという。さらに、「生きた虫を踏まず、生きた草を折らない。角があるのに、それで害をしないが故に聖獣」であり、麒麟は百獣の王であるが、それはライオンにように弱肉強食的な強さではないとされています。
中国では古来より将来有望な大物が生まれると麒麟が現れるという言い伝えもありますが、どうも現われるだけで何もしないのです。「千尋の谷に突き落とす」とか、「キビ団子をもたせて家来を作らせる」とか、これはと見込んだのなら普通はするであろう実際的なことを何もしない。
ただ直接手を出すようなことは一切しない代わりに、まっすぐに見守り、あるかなきかのごとくに寄り添い、そしておそらくは祈っている。今週のあなたもまた、「手を出す」以外の仕方で、誰か何かに自分の存在を傾けていくことができるかが問われてくるでしょう。
大抵の出会いは面白くない
別の言い方をするなら、これは世の中には「面白い人」と「面白くない人」という2種類の人間がいて、面白い人を相手にしていた方がいいよ、という話でもあります。
だって、ほんとうに面白いと思っていれば、余計な手出しをするよりも、「次に何をするんだろう?どうなるんだろう?」ってワクワクしながら見守りたくなるでしょう。
そもそも人生の中で出会う人の中で、あなたが本当に「面白い」と思える人って何人くらいでしょうか。おそらく両手で数えられる範囲か、もしかしたら片手で収まってしまうかも知れませんね。
逆に言えば、大抵の出会いはつまらないんです。もちろんそういう相手に価値がない訳ではなくて、そういうつまらなさを積んでいって、ある一定量を超えると、自分に合った面白さや相手を真剣に選ぶようになったりもする。
そう、真剣に。今週はそうした初心を忘れないことです。
今週のキーワード
自分にとっての麒麟児