みずがめ座
真剣の美
妬心は尊い
今週のみずがめ座は、「毛鞠の子妬心つよきはうつくしき」(石原舟月)という句のごとし。すなわち、必死に努力することの中にこそ、美しさを見出していくような星回り。
数人の子たちが集まって毬つきをしている中で、ひとり相当負けず嫌いな子がいたのでしょう。どうしても1番になりたいと、何度も毬をつきなおしたり、遊びの継続を促していたのかも知れません。
作者はそんな「妬心(としん)」の強い子の中に、ほかの争おうともしない子供たちにはない、「真剣の美」を見出したのだと思います。
いまの日本社会には、要領よくできるだけラクをして成果をあげることを尊んで、一生懸命になることを下に見る風潮がありますが、今週のあなたの星回りからは、そんな風潮を斜めに斬り捨てていくような潔さを感じます。
どうか周りの雰囲気やマイナスの同調圧力に屈さずに、自分の中の芯の通った気持ちを貫いていってください。
天に笑ってもらうには
歌い手の歌に心奪われてしまうのは、歌い手が自分自身を歌に捧げているからであって、歌を器用に自分に従わせているからではありません。
あるいは、周囲の笑いを誘うにしても、特定の誰かを小バカにするような嘲笑をすれば、その場ではみんな笑っていても、帰り道では真顔に戻って身も心も固く閉ざしてしまうでしょう。
その意味で、嫉妬心の強き子の美しさとは、些細な遊びにさえ自分自身を捧げてしまえる点にこそ宿ってくるものなのではないかと思います。
あるいは、つまらない自分を放りだした時にこそ、真剣の美の秘訣はあるのかもしれません。今週は、人に笑われることを怖れず、何よりも天に笑ってもらえるよう、心がけてみましょう。
今週のキーワード
何かに自分自身を捧げられる軽やかさ