みずがめ座
才能より協力
より大きな風を得るために
今週のみずがめ座は、『草を擦りつつ上りゆく鯉幟(こいのぼり)』(広渡敬雄)という句のごとし。あるいは、「活躍」の定義を再確認していくような星回り。
ズズ、ズズと「鯉幟」が上ってゆく様子が見えてくるような一句。句の肝は「草を擦りつつ」であり、この描写によって初夏のころの草の丈や匂いが感じられ、鯉幟と草の緑の鮮やかな対比が際立っていきます。
さらに、ヒモをたぐる人の手にしたがって、地に横たわっていた時は平たい布でしかなかった「鯉幟」が、一息ずつ天上のものになるにつれ、風を得て「鯉幟」は本来の姿を現わすのです。
そこには端午の節句を迎えた子供たちへの祝意が込められていると同時に、天高く上って活躍にするには、そして重い体を引きずってでも立たせてくれるには、「運」や「才能」だけでなく、必ず誰かほかの人の手を借りて「協力」を仰ぐ必要があるのだということを暗に示しているのではないでしょうか。
その意味で、5月6日にみずがめ座から数えて「ストーリー」を意味する10番目のさそり座で満月を迎えていく今週のあなたもまた、自分ひとりが活躍する妄想から脱して、いかに誰かと共に協力し合っていくストーリーを紡げるかが問われていきそうです。
吐く息が合う関係
オギャーと生まれてきたその日から、私たちはつねに息をしてきましたし、やがて息を引き取るその日まで、独りの時も誰かと共にいる時も呼吸をし続けなければならない訳ですが、関係性の好みで言うと、若い頃は特に「吸う息」の合う相手を求めやすいように思います。
「吸う」は英語で「inspire」と表し、名詞形にすれば「インスピレーション」になります。つまり、同じアーティストに影響を受けたり、似たような背景を共有できる相手こそ最良の友と考えやすいのです。ただそれは間違いではないものの、必ずしも唯一絶対の回答ではないのではないでしょうか。
なぜなら、人間の生き様というものは、何にどれだけ影響を受けたかというだけでなく、周囲にどんな影響をどれだけ与えたかということによっても規定されていくものだから。
その意味で今週のみずがめ座は、「自分という人間はこの世の何に寄与していこうとしているのか」、「また誰となら吐息としての生き様が調和できるのか」、といった視点をできるだけ大切にしていきたいところ。
みずがめ座の今週のキーワード
できるだけたくさんの人と共に協力し合っていくストーリー