みずがめ座
誰かにとっての蓮華になる
こちらは9月13日週の占いです。9月20日週の占いは諸事情により公開を遅らせていただきます。申し訳ございません。
楽しませること
今週のみずがめ座は、アランの考えていた礼儀作法のごとし。あるいは、いわゆる暗黙の了解よりも、ほんとうの意味で礼儀正しさとは何かということを考え、実践していくような星回り。
もともと「正しい/間違っている」、「攻撃してもよい/悪い」といった単純な二分法に陥りやすいTwitterが、ますます人々の二極分化を促しているように感じる昨今ですが、かつてフランスの哲学者のアランは幸福に関する断章集のなかで、「ほんとうの生き方」の中に「楽しませるべし」という規則を入れたいという旨について書いていました。
それはおべっかを言ったり、調子よく相手に合わせたりということではなくて、(とりわけ若者に対しては)推測に過ぎないときは最も良い方にとり、立派な姿に描き出すことで、彼らは自然と自分をそのように思い込み、やがてそのような人間になるだろうといった未来への企図に基づく祈りにも似た行為なのだと。
もちろんどんな人にだって誤りやねじれは存在するものですが、厄介なのはそれを感情的にこじらせることであり、ここでいう相手を「楽しませる」とは、「つまり荒ぶる情念をなだめる体操」なのであり、アランの言う通り「ほんとうの礼儀作法とは、むしろよろこびが伝わって行って、すべての摩擦がやわらぐところにある」のかも知れません。
14日にみずがめ座から数えて「社会的知性」を意味する11番目のいて座で上弦の月を迎えていく今週のあなたもまた、みずからの実践すべき行動規則やその影響について改めて見直し、軌道修正していくことがテーマとなっていくでしょう。
蓮の花となること
仏典によれば、かつてゴータマ・ブッダは母・摩耶の胎内から出て七歩歩き、蓮の花の中に立って、「天上天下唯我独尊」という第一声を放ったと言われています。
ただし、これはよく言われるような自分より優れたものなどないという傲岸不遜な思い上がりなどではなく、この世に個として存在する「我」より尊い存在はないというすべての人間が本来備えている尊厳への確信に貫かれた言葉。
そして、蓮の花とはそんな尊厳にみちたブッダを支える玉座、すなわち「背後から支える力」として彼の聖性と分かちがたく結びついています。つまり、ひとが本来の尊厳を取り戻していくためには、まず自分にとっての「蓮の花」を見つけていく必要があり、先の「楽しませる」とはそうした蓮の花を開花させていくことでもあるのではないでしょうか。
今週のみずがめ座は、そうした自分に可能な秘やかな配慮や後ろ支えにこそ焦点をあてていきたいところです。
みずがめ座の今週のキーワード
荒ぶる情念をなだめる体操