みずがめ座
誰か何かをじっと待つ
必要な備え
今週のみずがめ座は、aikoさんの「キラキラ」という曲のごとし。あるいは、“未来を待つ”ということを促していくような星回り。
「あたし」は「あなた」と一緒に住んでいて、「あなた」の仕事の帰りを待っている。そんな何気ない日常の描写から始まるこの曲は、次のくだりで見事に裏切られます。
羽が生えたことも 深爪した事も
シルバーリングが黒くなった事 帰ってきたら話すね
その前にこの世がなくなっちゃってたら
風にでもなってあなたを待ってる
そうやって悲しい日を越えてきた
ここで示されているのは、たとえ世界が滅んだとしても「あなた」を待ち続ける、という「あたし」の態度です。こんな風に「待つこと」は、未来という時制がもつ「まだ存在しない」という本質と正面から向きあっていく行為であり、あえて「あたし」と「あなた」に待ち受ける不安な将来にじっと注意を向け続けることに他なりません。
はっきり言って、多大な精神力を要する行為ですが、そうして「あたし」はいつかきっとやってくる未来に備え、自分の欲望を減却させているのだとも言えます。
3月6日にみずがめ座から数えて「中長期的なビジョン」を意味する11番目のいて座で下弦の月(意識の危機)を迎えていく今週のあなたもまた、ただ目の前のことに集中して目をふさぐのではなく、向けるべきところに目を向け続けていくべし。
不穏な気配
例えば、あなたが最後に心から笑ったのはいつですか?そして、現在の延長線上に心から笑顔になれる光景は浮かんでくるのでしょうか。
遠い遠い見たことのない 知らない街に行ったとしても
あたしはこうしてずっとここを 離れずにいるよ
どこかでまだ見たことのない光景を現実の中につくり出すことができた時に生き生きするためには、不安が去来する不穏な気配の漂う方角にこそじっと目を凝らしていかなければなりません。
「見たことのない」未来というのは、そうして不安と不穏とのあいだに開いた「余白」をだまってジッと見ていると、不意にしみのように広がって到来してくるものなのです。
今週のみずがめ座は、特に不穏な気配のする方へと惹きつけられていきやすいでしょう。
今週のキーワード
まだ見たことのない光景