みずがめ座
勝負服をまとう
自己一致への帰着
今週のみずがめ座は、「切腹などして死にゆきしもののふの裔(すえ)のモヒカン刈りの若者」(高野公彦)という句のごとし。あるいは、中身とカタチが繋がり直していくような星回り。
いにしえの侍は、成人になると前頭部から頭頂部にかけての頭髪を剃り、月代(さかやき)にしてちょんまげを結ったが、一方で海の向こうのアメリカ原住民モヒカン族の戦士もまた、弓を射やすいようにと、頭の両側面を刈り上げた。
それはいつでも着脱可能な流行やファッションなどではなく、みずからの追求している信念や願いがカタチを伴なって現れた姿であり、それらを永続化させんとするために施されたデザインでもあった。
さて、では最近の若者にはすっかり信念がなくなってしまったのだろうか? そんなことはないだろう。ただ選択肢が増えすぎてしまった結果、偶然によって左右される度合いが大きくなっただけで、やがては必然へと帰着していくはず。
8日にみずがめ座から数えて「信念や哲学」を意味する9番目のてんびん座で、満月が起きていく今週のあなたもまた、自分の信念に即した形式や現実へと自然と回帰していきやすいだろう。
やるなら確信犯的に
男であれ女であれ、周囲や世の中に着させられている人と、服を着ることそのものを楽しんでいる人というのはやはり違いが出るもの。というより、着させられている人の服というのはそもそも“勝負服”とは言えないだろう。というもの、そもそも勝負なんてしてないのだから。
“勝負服”を楽しんでいる人というのは、「服なんて、たかがゲームじゃないの」と言わんばかりの余裕がどこかに漂っているものだし、虚構を虚構として利用しつつも「裸の<わたし>を見つけてみてよ」という確かなメッセージを発しているのではないか。
おそらく人と人というのは、勝負服の作りだす虚構のイメージを入口としつつも、本当はそうしたメッセージに引き寄せられて初めて、その実態との関係を開始していくことができるはず。
そういう意味では、今週はまとうイメージや着る服ひとつにしても、どこまで確信犯的になれるかが鋭く問われていくタイミングなのだ。
今週のキーワード
虚構と実態の相互作用