みずがめ座
些細な真実を拾い上げる
真夜中の仕事人
今週のみずがめ座は、「洗濯機おのれ揺すりて梅雨の中」(足立威宏)という句のごとし。あるいは、自分でも気づかぬところで働いてきた自分に、ふと気付いていくような星回り。
夜中に喉が渇いて寝床を抜け出して、よく冷えた麦茶なんかを取り出す際、冷蔵庫から響いてくる「ブーン」という鈍い稼働音がなんだか妙に耳に残ってしまうことがある。
そして再び寝入る前になって、自分や家族がすっかり寝静まっている間も、冷蔵庫は素知らぬ顔で自分の仕事を続けてくれていたのか、と改めて思い知る訳です。
掲句の場合は「洗濯機」ですが、きっとそれと同じような感慨を作者は抱いたのではないでしょうか。そして、そうして普段は日常の風景の中に埋もれているような些細な働きこそが、「キャリア」や「業績」として語られるパブリックな自分を支えてくれている。
今週のみずがめ座が目を向けていくべきは、そうした「脚注」のような日常のディテールなのだと言えます。
「柔軟宮」と呼ばれる変化を司る4つの星座すべてに惑星が入ることで、硬直化した現実を攪拌し液状化させていくかのような配置をとっていく今週は、あなたにとってはかえって日常を丁寧に送っていくことの大切さを思い出させてくれるように思います。
おのれを内に求むる
近代アメリカを代表する思想家・エマーソンは「おのれを外に求むるなかれ」を座右の銘にしていたそうです。
著書『自己信頼』を読んでいると、その背景には彼が「自分にとって自分の心の奥で真実だと思えることは、万人も真実だと信じること―それが普遍的精神というものだ」と堅く信じていたことが分かってきます。
ここでそれをもう一歩押し進めるならば、たとえ自分以外の誰もがその背後に何も有意義な意味を見出さず、特別なことなど何もないと判断したとしても、あなた自身がその背後に生起している力の気配や未来の胎動を確かに感じているならば、それこそ、あなたが求むるべき「おのれ」に他ならないのです。
今週は変化への「兆し」や「予感」がとても強まってくる時です。
気を散らさず、ひとりの時間をしっかり確保して、自分の内面へと没入していきましょう。
今週のキーワード
不随意筋のイメージ