みずがめ座
新たな協働の模索
はみだし者なりの共同性
今週のみずがめ座は、「原稿の一マスに身をおさめる蛾」(福田若之)という句のごとし。あるいは、理想の社会の一員として、身をすべり込ませていくような星回り。
蝶というのは、蛾の中で棍棒状の触角、昼行性、翅の縦に畳むことができるなどの幾つかの特徴をもつごく一部のグループのことを指すらしい。
逆に言えば「蛾」は生物分類学上では「蝶でない」という消去法的な分類であるため、蛾全体に共通する特徴というものは特になく、いわば雑多なはみ出し者の集まりなのだそうです。
そんな蛾がふと見ると、デスクの上に広げた原稿用紙の一マスのなかに収まっている。
もしかしたら、そこははみ出し者として世間や社会から疎外されている蛾がやっとたどり着いた安息の地であり、同時に、蛾はそこでひとつの文字となり、他の文字とコンテクストを形成していくことによって彼らなりの主義主張を始めようとしているのかもしれない。
「蝶ではない」という形でしかその存在を定義できない蛾であっても、結びつき集まってそこに新たな輪郭や名前が与えられていけば、別の存在として生まれ変わることも可能であるよう。
今週の、そして2019年のみずがめ座のあなたもまた、自分が身を置いていくことで作り出していくべき新しい共同性の在り方を模索していくことになっていくでしょう。
神の視点から見ればみな同じ
例えば、誰かと会話していく中で、お互いを認め合うために育ちや背景にそのための根拠を探っていったとき、「自分だけに起きた特別な体験や感覚」だと思っていたことが、案外みんな経験してきた普通のことだと分かる、なんてことは十分ありえるでしょう。
そうした気付きは、新たな仲間意識を燃やしたり、自分たちが同じ地平で踊る「神の子どもたち」なのだという解放感へ発展していく大切なきっかけにもなりえます。
結局、社会的なランクや文化的違いは、人としての優劣を決めるものではなくて(地球レベルで見れば)ほんのささいな役割や機能の違いにすぎないのです。
今週は、偏見や決めつけをしないで話を聞いてくれる相手を見つけたら、とことん自分語りをしてみるのもいいでしょう。
誰かの胸を大いに借りることで、悪い夢から醒めることだってできるかもしれません。
今週のキーワード
胡蝶の夢