うお座
本物の知性を求めて
2019年上半期のうお座は、ここ数年の緩やかな運気の上昇に「ギアチェンジ」が起き、日常生活のスピード感が一気にテンポアップしていったのではないかと思います。
その流れを受けた 2019年下半期は、日々のボルテージをさらに上げていくだけに留まらず、2~3年後には実現させたい具体的な目標を立てていくことが大きな課題となっていくでしょう。
あるいは、目標そのもののハードルを、当初立てたものから最終的に一段も二段も上げていくことが狙いになってくるのだとも言えるかもしれません。
そして、この 目標というのは、単に「お金を貯めたい」とか「結婚したい」といった漠然とした望みではなく、以前は知らなかったような世界の新しい見方をあなたにもたらしてくれる「知的な探求」に関することになっていきやすいはず。
ただそれも、色んなことを効率的に吸収していくだけになってしまっては本末転倒です。
何事においてもとにかく「早く分かる」ことが良しとされる現代社会では、無意識のうちに「本当は分かっていないのに、分かったふりをしてしまう」という知的態度が横行しています。
しかし 今のあなたが取り組むべきは、むしろ「いま分からない」ということと「いま分かりつつあること」のギャップを誠実に受け止め、日々「考え続けられる」テーマを見つけていくことでしょう。
2019年下半期、各月の運勢
7月「本気の遊び」
3日(水)にかに座で日食が起こり、4日(木)に金星がかに座へ入っていくと、 自然と抑圧感が消え、のびのびと解放的なムードに変わっていくでしょう。ただしそれは浮ついたものではなく、あくまで真剣そのもの。うお座から数えてかに座は5番目の位置関係にあり、これは喜びと創造を意味します。つまり、ただ飲み歩いたり、買い物で散財するのではなくて、無駄なことや余計なことに本気で首をつっこんでいく。 そういう覚悟のようなものが、このタイミングで定まっていく。ひとつそのつもりで臨んでみてください。
8月「生きた哲学を求めて」
11日(日)に拡大と発展の木星が順行へ戻ります。4月11日からの約4カ月間、精神的にあちこちを遍歴したり、あるいは「隠者」のごとく深い学びや自問自答を続けてきた人もいるかもしれません。さながら、山を降りてきた「ツァラトゥストラ」のように、 自分なりに考えてきたことを、今度は人々との交流を通じてぶつけていって、「生きた哲学」として練り上げていきたいという気持ちが強まっていくのです。こうした、自分とは異なる見解とどう向き合うかという問題は、何かと争いごとを嫌い、なあなあで済ませようとしがちうお座に、精神的な成長を促してくれるでしょう。
9月「精神的な繋がりを問う」
9月の前半はおとめ座に太陽・水星・金星・火星の4つの惑星が集中。これらが次々と、いて座の木星とうお座の海王星と二等辺三角形を形成し、変容や移り変わりを促していく。うお座から数えておとめ座は7番目の位置関係にあり、これはパートナーシップを意味します。 あなたが大切に思っている相手との関係性における「精神的な学び」以外の条件がもたらすしがらみが、ここで一気に取り払われていくでしょう。あるいは、男女や年齢、職業や生活レベルの区別をこえてたところで、相手と共有できるものがあるかどうかが問い直されていくのだとも言えます。
10月「不足や欠落を補っていく」
4日(金)に火星がてんびん座入りし、9日(水)に金星がさそり座入りすると、ミューチュアルレセプ ションという配置を取っていきます。つまり、 2つの惑星が、互いのネガティブな側面をフォローしあうようになる訳です。うお座にとっては、特にパートナーやそれに近い相手とのあいだで、愛が深すぎるがゆえの束縛に、個人は個人という割り切りがもたらされ、その一方で、干渉しあわない自由を尊ぶあまりの淡白さに、本音の吐露による情緒的潤いがもたらされていくでしょう。
11月「キャリアへ活かそう」
2日(土)に金星がいて座へ抜けると、ミューチュアルレセプション期間も終わり。その後は月末27日(水)のいて座新月へ向けて、思案に思案を重ねていくことになるでしょう。いて座はうお座から数えて10番名の位置にあたり、これは社会的役割やキャリアの方向性を表します。つまり、 いま自分が学んでいること、これから自分が深めていきたいと思っていることをどうキャリアに活かしていくのか、ということについて、何かしら構想を描いていこうということです。うお座は2匹の魚によって表されるダブルボディの星座ですから、この場合は2つのプランを用意したり、あるいは2つの仕事を掛け合わせるための繋ぎとして学びを活かせないか考えてみるといいかもしれません。
12月「受け入れたら、忘れてしまおう」
3日(火)に、拡大と発展の木星がいて座からやぎ座へ。2019年は「ギアチェンジ」の年と述べたように、社会的な立場が変わっていったり、自分が担う役割そのものを変えていった人もいたのではないでしょうか。何より、そうした変動のなかで、精神的な学びや本物の教養を深めていったことでしょう。そして あなたがそうして自分をレベルアップさせていくにつれて、自然とあなたが関わる相手や人間関係も移り変わってきたはずです。中にはそこで縁が切れていった人もいたでしょうし、逆により絆が深まった相手もいたかもしれません。 そうした全ての変化を受け入れていくこと。それがうお座のあなたに残された2019年最後のミッションなのだと言えます。
2019年下半期のうお座におすすめの映画
『華氏451』(1966、イギリス)
「本は人を不幸にする」もので、本を所持することや、読書をすることは反政府活動と見なされる。そんなディストピアを描いたこの映画の後半には、政府の監視が届かない辺境の森に暮らす「本の人たち」が出てきます。彼らは1人1冊、本をまるごと暗記している人々で、そうすることで例え世界中の本が焼き尽くされても、その内容や記憶を次の世代へ、後世へと伝えていこうとしているのです。 人は本を読むという行為を通じて、時空を超えていくことが可能となる。そんな可能性を、今のうお座もまた追求しようとしているのではないでしょうか。あるいは、もし自分ならどの本を選ぶだろうか。そんな空想をしながら見るのも、この映画の楽しみ方でしょう。