てんびん座
何からの卒業?
2019年上半期は、てんびん座にとって「曲がり角に来た」感覚を覚えた人が多かったことと思います。
結局、自分にとってここ数年(あるいは10年ほど)の経験は何だったんだろう。もしその集大成と言えるようなものがあるとすれば、それはどんな言葉や行為になるだろうか、と。
2019年の下半期は、そんな人生の流れの振り返りをエイヤっと完結させていくこと、そして 物理的ないし精神的な「引っ越し」をしていくことが、あなたにとってとても重要なテーマとなっていくでしょう。
文字通り、古い家から身を引いて、新しい家へと越していくかのように。
それに加え、> この時期は、これまであなたが無意識に課してきた自分への「制約」に我慢できなくなったり、経済的ないしは感情的なレベルでの「しがらみ」を一気に解消していきたくなるような発作や、それを誘発する出来事なども起きてきやすいはず。
あなたが心の底から求めているニーズに、いま大きな波風が立ちつつあるのです。その結果、人間関係の在り方や性的な趣味嗜好さえ変わってしまうことだってあるかもしれません。
いずれにせよ、 2019年下半期はあなたがこれまで依拠してきたものから離れ、そこから「卒業」していくことに多大なエネルギーを注いでいくことになるでしょう。
2019年下半期、各月の運勢
7月「「これまで」にオチをつける」
3日(水)にかに座で日食が起き、直後の4日(木)に金星がかに座に入ると、 これまでの慌ただしい空気は一変し、ついにここまで来たのだという安堵と感慨が湧いてくるでしょう。あるいは、「走馬燈」のようにこれまでの自分の苦労や乗り越えてきた出来事が思い出されてくるかもしれません。そして、それら一連のストーリーにどんな自分なりのオチをつけるかを考えていくことになるのです。あるいは、自分はそこから何を学び、どんな確信を抱いたのか、と。
8月「いよいよここで最終章」
8月は、後半になるに従って、次々と星がおとめ座へ移っていき、事後処理モードもいよいよ終盤に入っていきます。てんびん座から数えておとめ座は12番目の位置関係にあり、これは秘密や盲点、深層心理などを意味します。いわば「エピローグ」や「あとがき」のように、いまいち納得のいっていなかった未解決部分を結論づけたり、本編に対する納めの一言を付けていくイメージです。 ここできちんと人生の「これまで」を綺麗に終わらせていけるかどうかで、後の苦労も変わってくるでしょう。
9月「オープン・ユア・アイズ」
9月に迎えていくてんびん座にとって最大の節目は14日(土)。うお座で満月が起き、その直後に水星と金星がそろっててんびん座へ移動していきます。例えるなら、 映画を見た後もずっと残っていた余韻が、一晩寝て目が覚めた瞬間にすかっと抜けたような感じ。これまで漠然としたムードの中で、いまいちはっきりしなかった自分の「立ち位置」がようやくクリアになって自覚されてくるはず。 ここで初めてあなたは名前をもった登場人物として舞台に上がってくるのです。以後、あなたも自然と自分に主体性や積極性が出てきたことを実感していくでしょう。
10月「ディープ・ワールドの住人に」
4日(金)に火星がてんびん座入りし、9日(水)に金星がさそり座へ入ると、ここでまた流れが変わってきます。てんびん座というのは、色んな個性や文化を自分と切り離して楽しむことができる代わりに、常に他人と一線を引いていて、どこか冷めたところがあります。ですが ここから、そうした一線を踏み越えられたり、踏み越えたりといった出来事が起きやすくなるのです。これまでの自分なら考えられないような熱中の仕方をしたり、趣味趣向の変化を感じる人も出てくるでしょう。 全体的に、住む世界や関わる相手が一気にディープになっていくイメージで、この状態は11月2日(火)に金星がいて座へ抜けるまで続きます。
11月「手元の資産を確かめていく」
月の変わり目である1日(月)に、さそり座で水星が逆行を始めてから再び順行へ戻る21日(木)まで、 ここ数カ月の心境や立場の変化、人間関係の移り変わりについて振り返っていくことになります。さそり座はてんびん座から数えて「身体感覚」を意味す2番目の位置にあり、 これまで見聞きし、また実際に直接体験してきたことが、どれだけ腑に落ち、血肉化しているかどうかの確認作業が行われていくのです。場合によっては、自分がすでに「使い尽くせないほどの資産」を与えられていることに気が付いていくかもしれません。
12月「私は何者なのか」
拡大と発展の木星が3日(火)にいて座からやぎ座へ。やぎ座木星期の約1年間の始まりであるこの月は、 自分がよって立つべきルールや歴史、居場所や背景が定まりつつあるのを感じていくことができるでしょう。それに応じて、あなたのアイデンティティーも一対一の関係性においてではなく、より大きなコミュニティーや共同体との関係において、色づけられていきます。 改めて、自分は社会の中で何者なのか、この先何をしていく人間なのかということがここで問い直されていくでしょう。
2019年のてんびん座におすすめの映画
『淵に立つ』(2016、日本・フランス)
どこにでもいるように見えるあ家族の平和な日常生活に、ひょんなことからちょっとした異物が入り込む。はじめはそれでも適応していくかに見えたものの、 何かが引き金となって遂には崩壊してしまう。その一連のプロセスを何ら容赦無く描いたのがこの作品。ちなみに「家族の団らん」のようなかつてあったコードは、ここでは全く通用せず、一歩間違えるどうなってしまうか分からないむき出しの怖さが痛いほどに伝わってきます。ただ、 家族や家庭という場においてさえ、人間心理の深淵というものは開きうるのだということは、今のてんびん座なら、よく分かるのではないかと思います。