さそり座
御しがたいものを御していく
さそり座にとって2019年上半期は、自分が対等でいられる関係性を選んだり、そう思える相手との絆を育んでいったりと、「パートナーシップ」について改めて真剣に考えさせられる時期となっていたのではないかと思います。
ただ、革新の星である天王星の影響力がもはや無視できないところまで浸透してくる 2019年下半期は、理想主義が行き過ぎてしまう傾向が強く、そうしたパートナーシップの探究において何かしらの形で「失望」を経験していきやすいでしょう。
場合によっては、失敗の山を築いてしまうことだってあるかもしれません。
けれど、この「パートナーシップを通して、人生はもっとより良いものとなるはず」という誘惑は自分ではどうにもできないほどに強烈なものであるため、無理に抑え込んでしまうよりは、たとえ不満の紛糾や決定的な決裂という形をとったとしても、表面的には何も起きずに終わるよりずっといいのです。
その意味で、 2019年下半期のさそり座のテーマというのは、理想と現実とのちょうどいい着地点へうまく誘導していくために、過度な期待に走りがちな内なる衝動を、どれだけなだめ、すかし、説得していけるか という点にあるという訳です。
これは別の言い方をすれば、さそり座本来の粘り強い「ネゴシエーター」としての資質を、いよいよ本格的に開花させていく時期がやって来たのだとも言えるでしょう。
2019年下半期、各月の運勢
7月「火蓋が切って落とされる」
2日(火)に火星がしし座入りしていく7月は、予想外の人物などの他者を経由する形で、あなたに新しい課題やミッションが与えられていきそうです。 さそり座から数えて10番目のしし座の位置は、肩書きや社会的ポジションなども意味しており、ある種のキャリアのブレイクスルーが引き起こされていくでしょう。おっとりして見える割りに心に激しい情熱を秘めているさそり座にとって、こうしたハプニング含みの状況は待ちに待った「狙いどころ」とも言えるかもしれません。
8月「花火のごとく鮮やかに」
しし座の新月、そして水星の順行とともに始まっていく8月は、先月からの流れが一気にトーンアップしていきます。 よく晴れた夏の夜空に打ち上げられた花火のように、「こうなりたい!」と心から思えるような目標やロールモデルが、あなたの脳裏に強く深く刻まれていくことでしょう。それは、人生における新たな季節の本格的な始まりを告げるものであり、この明るく力強い印象的なタイミングは、しし座に金星と火星が同座する18日(日)まで続いていきます。
9月「大いに夢を語るべし」
月の半ばまでおとめ座に太陽・水星・金星・火星の4惑星が集中。おとめ座はさそり座から数えて11番目の位置関係にあり、これは 1年のサイクルの中でさそり座がもっとも「未来」に目を向けられる季節が来たことを意味しています。どちらかと言うと、過去の記憶や体験の反芻を好むさそり座にとって、この時期は戸惑ってしまうことも色々出てくるかもしれません。けれど、話の通じる「友」にも恵まれやすく、自分なりの夢や新しい計画について語り合っていくことで、あなたも大いに励まされていくはず。
10月「人生に一度切りの手放し」
この月、最大の節目は月末28日(月)のさそり座新月。革新の星・天王星から強烈な影響を受けとっていくこのタイミングは、さそり座の人たちの人生を決定的に変えてしまうほどのインパクトを持ちます。そこに向けて近づいていくこの1カ月は、さながら「黒ひげ危機一髪」をリアルに体験させられているかのようなハラハラ感さえ出てくるかもしれません。ただ、それは あなたが過去のしがらみを手放し、真の自立を遂げていくために迎えていく、人生に一度きりの特別なタイミングともなっていくでしょう。自分はもう、かつてのように脆く弱い存在ではないのだと自覚していくことです。
11月「瞑想と気付き」
月が変わると同時に、水星がさそり座で逆行し、その状態が21日(木)頃まで続いていく今月は、スピード感が急にゆっくりになっていきます。さながら大自然に囲まれた場所で、静かに瞑想的な時間を過ごしていくかのように、 じっくりと過去を振り返っていくことで、次第に自分の本当の気持ちに気付いたり、誰かに対する誤解を解いていくことができるでしょう。さそり座というのは「熟成と変容」の星座であり、物事が根本から変わってしまったり、別の形で復活する様を経験していこうとするのですが、11月はまさにそれを自分の身を通して認識していけるはずです。
12月「学びの深まり」
3日(火)に木星がいて座からやぎ座へ。これで2017年の年末からやぎ座入りしていた土星とともに、2つの星がやぎ座に同座することになり、さそり座の人たちは ここで改めて「自分の人生は自分で決めて支配する」ということを、これまでより一段掘り下げる形で学び直していくことになっていくでしょう。その成果が出てくるのは2020年に持ち越されていくことになりますが、昨年2018年から続いてきた他者を通じた学びの季節が発展的に受け継がれてきたことをここで確認しておくといいかも知れません。
2019年下半期の、さそり座におすすめの映画
『カストラート』(1994、イタリア・ベルギー・フランス)
舞台は18世紀のヨーロッパ。かつて実在したボーイソプラノを保持するために去勢された男たち―カストラート。その中でも“唯一の神”とも呼ばれ、絶大な人気を誇ったファリネッリを描いたこの作品のテーマは、ずばり「兄弟愛」。当初は唯一の理解者であり興行パートナーとして主人公に慕われていた兄リカルドは、才能のない凡庸な作曲家だった。そしてそれゆえに、彼らのあいだに次第に軋轢が生まれ、兄は兄弟愛を演じる裏である裏切りを犯してしまう。‟神”である前に一人の人間であったファリネッリがいかに愛を貫き、そして歌ったか。その姿に、今のさそり座の人たちであれば、きっと感じ入るところがあるのではないかと思います。