おとめ座
魔女とは“手ごわい女”のことを言う
本当に主婦になりたかった?
今週のおとめ座は、フェイ・ウェルドンの『魔女と呼ばれて』という小説のごとし。あるいは、これまでの自分とはまったくの別人にならんとするようなエネルギーの発露。
平凡ではあるが、有能な主婦であった主婦が夫に捨てられることから始まるこの小説は、冷水を浴びせられたような極めて冷え冷えとした読後感を与えるものの、そこには明確に戦闘的で男を憎む女性の元型―神話的にはアマゾネス―の現われが見出されます。
ドラマから抜け出してきたかのような“女らしい女”のもとへ去って行った夫から「おまえは魔女だ!」と怒鳴られた瞬間、彼女はメラメラと目覚めるのです。もしわたしが魔女なら、わたしはなにをしてもいいんだ、と。
ここではその具体的な復讐の中身はさておくとして、大事なのは彼女はきわめて稀なオカシい人なのではなく、社会や男性が求める女性像とは異なる女性的元型をもともと持っていたのではないか、ということ。
というのも、かつての時代そして現代においても、女性が男性や子供に無関心であるというのは「あってはならないこと」とされがちで、しばしば神経症的で病的だと見られやすいから。
その意味で、7月5日におとめ座から数えて「本音の露呈」を意味する5番目のやぎ座で満月を迎えていく今週のあなたもまた、復讐すべき相手にとっての「魔女」となってしまう前に、みずからのうちに潜んでいる元型にもっと素直に向き合っていきたいところです。
マクベスの魔女の言
大人になると、人生というのはそれほど綺麗なものではないということにみな気付いていきますし、それが当前であることをどこかで受け入れることを余儀なくされます。
そして、それを無理に綺麗に見せようとすればするほど、そこに何か底知れない汚れや歪みが生じ、誤魔化そうとすればするほど取り返しがつかなくなっていきます。
マクベス劇の「きれいはきたない、きたないはきれい」という有名なセリフのように、この世という見せかけの世界では、思いは「逆に成る」ということが真理なのです。
つまり、外に向けて何かを願ったり、実現に向けて努力しても、かえって空しくなるだけであり、自分の内面に向かって、あくまで自分の生きやすい世界をつくれるか否か。という方へ魂を向け変えていけるとき、汚れや歪みは自然と消えていくのではないでしょうか。
そのことをよく踏まえた上で、今週は自分の本当の望みはどんなものなのか?と、自分の内側奥深くへ問いかけてみてください。
今週のキーワード
アマゾネス