おうし座
人から猫へ
しなやかな心身
今週のおうし座は、「胡桃ほどの脳髄をともしまひるまわが白猫に瞑想ありき」(葛原妙子)という歌のごとし。あるいは、猫のようなしなやかな心身に変じていくような星回り。
これは実際に見た光景というよりも、作者が幻視したビジョンでしょう。頭蓋骨の中には脳髄があり、ぼおっと光を発している。それも真昼間、白昼夢にひたるように瞑想している透き通った猫のように。
5月16日に天王星がおうし座へ移動し、古いサイクルが終わり新たなサイクルへ突入したばかりの今、あなたはこれまで動かなかった事態に何がしかの唐突な変化が訪れやすい流れの中にあります。
こうした状況において気をつけねばならないのは、とにかく余計な力を入れたり考えすぎたりして事故を起こさないこと。
その点において理想的なのは、猫のしなかやさでしょう。高いところから飛び降りるとき、彼らはまるでなんでもなかったような顔をしながら、身に降りかかった事態をやりすごしていく。
今週は、そんな猫になりきったつもりで、いつも以上に力を抜いて過ごしていくことを意識してみるといいでしょう。
おまじないを楽しむ
例えば、髪を切ることと、新しい靴を買うことを同時に行う。これは占星術的にも非常に意味のある開運法であり、しなやかに運気の波にのっていくための作法と言えます。
12星座というのはおひつじ座から始まって、うお座で終わります。そして伝統的に12星座というのは、人間の身体部位にも対応するものと考えられてきました。そう、おひつじ座は頭、うお座が足と対応しているのです。
こうして象徴的なレベルで始まりと終わりを締める“おまじない”をすることは、いわば運命の輪郭線を引き直していくようなイメージで考えてもらえるとちょうどいいと思います。
いくら上から色を重ね直しても、ぬり絵の輪郭線が変わらなければ、根本的にはそこに人は変化を感じません。逆に、わずか1本の線が加えられるだけでも、だまし絵のように、まったく別様に見えてくることもあるのです。
また頭だけ、足だけになるとこれは“おまじない”つまり象徴的な儀式としては意味をなさなくなります。ただし、髪を切る代わりに帽子を購入したり、靴を手に入れる代わりにマニキュアを変えたりといったことはOKですので、できるだけ楽しんで取り入れてみてください。
今週のキーワード
輪郭線を変える