さそり座
大事な約束を思い出す
幼子と虹
今週のさそり座は、「コットンのねむりの中でおさなごがやさしく握る虹の先っぽ」(天道なお)という歌のごとし。あるいは、ひとり静かに厳かな約束を交わし直していくような星回り。
おそらく作者は、はじめての子をもった親なのでしょう。「おさなご」という言葉の意味を実感をこめて、しみじみと発している様子が印象的な歌です。
もちろん、同じことをしようとあなたにけしかけるつもりでこの句を引用した訳ではありませんが、「虹」という言葉にぜひ着目してほしいのです。
人は誰しもこの世に生を受けると同時に、この世界と何らかの約束を交わしている。そしてそうした約束の象徴的な表現として、古来よりすべての神秘学で「虹」が使われてきました。
今週は、自分がかつてその端を握っていたはずの「虹=約束」がどんなものだったのかを、できるだけ外側から植えつけられた言葉を挟まずに思い出していくことができるかどうかを、試されていくでしょう。
橋をわたるために
虹は神的存在(天)と、死すべき存在(地)とが交わるための橋ですが、同時に、人間の意識にとって虹は非常につかまえにくいものであり、掲句のように自分の立っている場所で虹が終わるということはまずありえません。
しかし一方で、虹というのは宇宙的に確かな豊かさの根源の象徴であり、誰もがうまれてくる際に一度はそれを確かにつかんでいるということを、人々は忘れてしまいがちでもあります。
そして、この世において豊かさというのものがすべからく何らかの「商い(約束の履行)」からもたらされるように、自らが結んだ契約が確かなものであるということへの確信(faith)こそが虹を呼び出す鍵なのです。
そんなことから、今週は思い出してみてはいかがでしょうか。
今週のさそり座へのキーワード
確信を持つことこそが商いの基盤