さそり座
反転としての発見
かけがえのない自分を発見する
今週のさそり座は、「噴水のほとりに待ついてゐるあーあ」(矢口晃)という句のごとし。あるいは、どんな自分もかけがえのない自分じゃないかと思えてくるような星回り。
水が流れていると、なんだか声を出してふるふると反響させてみたくなったりもするけれど、掲句の場合は、「残念、待ってても来ないか」の「あーあ」に近い気がする。きっと、そうなんだろうな。
だけど、きっかけはどうあれ声を出す自分は生きていて、がっかりしても、ふにゃふにゃになってしまったとしても、それでも人は生きていけるのだ。
発見。
どんな自分もかけがえのない自分であり、そういう自分を発見し続けられる限り、人生は捨てたもんじゃない。間違いない。
しかも作者のように、「あーあ」と吐き出さずにはいられなかった瞬間を生き延びて、それについて書いてしまえる人だってこの世にはいたりするのだ。何ほどの自分なのか。それはやはり、日々の選択の上にしかない。
さそり座の人たちにとって今週は、そんなことが実感されてくるタイミングなのではないでしょうか。
天を仰ぐこと
「天は自ら助くる者を助く(Heaven helps those who help themselves.)」
という英語のことわざがありますが、漫画『バカボンド』にも似た言葉として、無謀にもひとりで柳生の城に挑んでいく際に、「(たとえ人は笑おうとも)天は笑いはしない」というセリフが出てきます。
この場合の「天」とは、「自分の中の何か得体の知れないもの」と言ってしまってもいいかもしれません。
それと対極的なのは、例えば親や恋人や友だちの反応や、世間がどう思うかどうかで決断を成そうとする態度でしょう。
そういう時というのは大抵が、自分を世界の端っこで縮こまって生きているものと感じており、無意識のうちに自分はきっと不幸なはず、幸福にはなれない、というイメージを浮かべてしまっているはず。
今週は、「自分の中の得体の知れないもの」としての天が大きく広がって、自分にどんな空模様を見せてくるか。そんな基準を立てることで、不必要な思い込みを排していくといいでしょう。
今週のキーワード
「天は笑いはしない」