いて座
美しい必要不可欠さ
今週のいて座:「用の美」の条件
今週のいて座は、「用の美」を自分の日常に重ねていくがごとし。あるいは、「美しい必要不可欠さ」ということがテーマとなっていくような星回り。
「用の美」とは、柳宗悦によって提唱された概念ですが、そこには柳なりの厳しい基準がありました。
まず観賞用ではなくあくまで「実用性」があり、「伝統」と「地域性」が感じられるもので、誰もが買い求めやすいものであること(廉価性)、などなど。中でもその中心的な価値として考えられたのが、「他力性」だったように思います。
つまり、ひとりの力によって成り立っているものではなくて、自然の恵みによって支えられ、また複数の異なる人の手を借りて、繰り返し作られていったものにこそ、柳は「用の美」の真髄を見ていったのです。
ひるがえって、いまのあなたの生活はどうでしょうか?
自己完結してしまうのは、確かに身軽でしょう。しかし、果たしてそれでいいのだろうかと、そろそろ本格的に考え始めてみるのもいいかもしれません。
わらしべ長者
あなたは今、自分の中で新たな社会的アイデンティティーの輪郭がぼんやりと見えてきている一方で、自分の望みを達成するためには他の誰かの手助けやアドバイスが必要だという現実を前にし、少し息苦しくなっているかもしれませんね。
こうした状況でもがき続けていても、何も解決はしません。
近くにいて、頼ってもらえる人(あるいはその逆)を共犯関係に巻き込んでいくことで、ピンチがチャンスへ変わっていく瞬間を待つことです。
例えば「わらしべ長者」では、観音様からの「初めに触ったものを、大事に持って旅に出ろ」というお告げを信じて旅に出て、人の手を借りつつ、次々と交換を繰り返していった結果、ついには大きな屋敷を手に入れました。
自分が手に入れたいものが何なのか、そしてそれを手に入れるために何を必要としているのか、改めて見つめ直してみるといいでしょう。
いて座への今週のキーワード
他力性