いて座
一回お休み
小さな眠りを前にして
今週のいて座は、野心の午睡。あるいは、生あるうちに死の予行練習に勤しんでいこうと、気持ちを新たにしていくような星回り。
生とはそれ自体が野心の一形態に他ならず、したがって野心は生き生きとして生きようとする人には必ず付き従い、時に死者たちの顔にさえ私たちはその痕跡を読むことができます。
それは私たちが日常のほとんどにおいて信念や気取りがついて回り、また正しさへの配慮や自分ひとり置いてけぼりにされることへの怯えが抜けず、終始心の平和を得ることができないということでもあるはず。
自由な精神の体現者であることを、半ば運命づけられた人種であるいて座の人たちにおいても、本当に自由な精神に行き当たることは稀であり、それは唯一おのれの弱点をすべてさらけ出す真相告白においてのみ見つけられるのではないでしょうか。
いて座から数えて「小さな死(眠り)」を意味する8番目のかに座で3日に新月を迎えていく今週は、みずから告白者となる機会を得ていくことでひと時の平和の訪れを実感するべし。
深淵にて
もしあなたがここしばらくの間、外から植えつけられた快楽を追い、心のおしゃべりにまみれることで時間を浪費してきたならば、仕事や人生がつまらなくなって心が乾いていないか、今週は改めて確認していく羽目になっていくはず。
もしかしたら、そうした時間を過ごすうち、これまで停止していた関係やほとんど忘れかけていた物事が突然動き出して、みるみる間に種子から芽を伸ばしていくように進展していくこともあるかも知れません。
シングルなら、息を継ぎ一休みできる相手なら誰でもいいという訳ではなく、そこで自分の中の最高の満足を追求してみること。今のあなたにはこころをのびのびと解放させ、こころが本心から望む成熟を迎えるよう、自分自身を見守ってあげることが大切なのです。
その意味で、ルーマニアの思想家シオランの次のような一節は今週のいて座にとってよき指針となっていくでしょう。
「横になり、目を閉じる。すると突然、ひとつの深淵が口を開く。それはさながら一個の井戸である。その井戸は水を求めても目も眩むような速さで大地に穴をうがっていく。……そのなかに引きずり込まれて、私は深淵に生をうけた者のひとりとなり、こうして、はからずもおのが仕事を、いや使命さえ見出すのだ」
今週のキーワード
告白と心の平和