てんびん座
縁は蝶が結ぶ
必要な縁を引き込むために
今週のてんびん座は、蝶々を包んだ手のひらを、子供の鼻先でそっと開いてみせるような星回り。しっかり温めてきたとっておきの「宝物」を、ここぞというタイミングで開示する。そして縁ある人をより強くより深くこちらへ引き込んでいく。
そんな確かな息遣いを感じる光景が浮かんでくるようです。
ここで言う「宝物」とは美しい観念であったり、物事を他にない視点から見たときに広がる光景であったりと時と場合によって様々ですが、「世の中なんてこんなもの」と人が冷めきってしまう以前の若い魂を思い出させるだけの鮮やかさを持ち得ているはず。
蝶はギリシャ語でずばり「魂」を意味する言葉でもありましたが、あなたは自然や文化や人の力を借りて、自分の「魂」を見てもらおう、理解してもらおうとしているのかも知れません。
丁寧に呼吸する
なぜ人は大切なことを伝えようすると、逆につかみどころのない話に終始してしまうのか。どうしたら不格好でも何か真実味のあるものに触れたと、相手に感じてもらえるのか。
こうした問いこそ、おそらく今週の焦点でしょう。
かつて蝶と同じ言葉で語られていた魂(プシュケー)は、もともと「息を吐く(プシュケイン)」という動詞と関係しており、そこでは霊魂とは「生命の息」を意味していました。
息というと、「プネウマ」という語も思い出されるのですが、プネウマが風のように漂うかすかな霊的気配のようなものだとすれば、プシュケーとはもっと「フィジカルな呼吸」に即したものと言えます。
つまり、宝物=魂の開示とは、誰かに向かって自分の魂を息に乗せて吐いていくことに他ならず、糸を紡ぐように丁寧かつ十分な長さで為されることで初めて、向き合った者が自然とインスパイアされる流れができてゆくのです。
逆説的ではありますが、今週あなたが人に何かを伝えていこうとするのは、かつて自分が受け取ったインスピレーションを鮮やかに思い出し、実感を取り戻していくためでもあるのです。
今週のキーワード
かつて受け取ったインスピレーションを思い出す