てんびん座
美的であるための試行錯誤
想像力の低下は人としての質の破壊
今週のてんびん座は、一見何の関係性もないように見える生き物に、共通するものを見出そうとする研究者のごとし。あるいは、結びつきのパターンを見出していくことによって、質の破壊を防いでいくような星回り。
どんな種だって進化の袋小路に入りこんでしまうことはあるものです。それでも自分で自分の滅亡に手を貸すようになってしまったら、もうその種は絶滅に近いと言っていいでしょう。
歴史を紐解けば、同じことは国家においても常に起こってきましたし、あらゆるレベルの組織に共通する1つのパターンと言えます。
そうした破滅のパターンは、ある種の「質の破壊」から起こります。
つまり、美的でなくなるということ。そしてここで言う「美的」とは、異なるもの同士を結びつけるパターンに敏感である、量以外のもので生あるものの特徴をとらえる、生あるものに必ず付随する物語が豊かである、等々です。
例えば、エビとカニとを結びつけ、オウムとサルを結びつけ、これら4つの生き物を私自身と結びつけ、その私をあなたと結びつけるパターンとは何なのか? と問うようなことは、ほぼ間違いなく日本の小中学校で教えられることはない。
ですが、美的であることやその結果「質の破壊」を防ぐことに大いに貢献してくれるはずです。
今週のあなたなら、普段なら結びつけて考えることなど想像だにしなかったものを結びつけていくことによって、わずかながらでも本来の創造性を取り戻していくことができるでしょう。
失敗は存在しない
必然性に偶然性を絡ませれば、意図したゴールに到達しないということも当然起こってきます。
その際、失敗(結果)の違いを生み出した過程の中に、たくさんの選択肢の確率的な連鎖を読み取って失敗から多くの情報を引き出すこと、そしてその情報をフィードバックさせて別の回路を生成させること。
この2点ができるかどうかで、その美しさが決まっていきます。例えば、
「ドアを開けると上から黒板消しが落ちてきて→タコの頭を叩く→怒ったタコが墨を飛ばし→ダルマの目に墨が入れられ完成する」
という確率的ピタゴラ装置を作動させることを想定してみても、黒板消しは事前に足でたたき落とされるかもしれないし、当たったとしてもタコは怒らないかもしれない。
そしてたとえ墨を吐いたとしても、ダルマの絵の方に飛ぶとは限らず、最後までうまく連動して完成する確率はきわめて低いように思われます。
しかし、こうした回路(結びつきのパターン)から一体どんな事態が引き出されてくるのかは、作動してみなければ分からない。
問題は、「失敗」の中から新たなゴールへと回路を組み直すにいたるくらいの想定外の情報を見出し、柔軟に軌道修正していくことができるかどうかなのです。
これは、新しい結びつきのパターンを見出していく上で不可欠な試行錯誤、という風にも言えるでしょう。
今週のキーワード
失敗から学べる人は美しい