しし座
凧あげの原理
五月の鷹
今週のしし座は、「目をつむりていても吾を統ぶ五月の鷹」(寺山修司)という句のごとし。すなわち、自分を一段高いところへ引き上げてくれるものに身を委ねていこうとするような星回り。
掲句の「五月の鷹」とは、難事において右往左往するしかない迷い多き人間をはるかに見下ろす超越的な存在の象徴的な表現でしょう。
ここでは、目をつむっていてもそんな絶対者に導かれているのだという意識、あるいは、導かれたいという希求についてそっと語られているのかも知れません。
ただ、内心がどうあれ、こうしたどこかおとぎ話にも出てきそうな情景において、ここぞというタイミングで大仰に目をつぶってみせる演技力というか、女優魂みたいなものを発揮させるとしたら、獅子座の右に出る者はいないはず。
鷹は太陽まで飛んでいくことができ、まばたきをせずに太陽を見つめることができるとされることから、世界中で太陽神の使者とされ、天、力、王威、高貴などを象徴してきましたが、その恩恵にあずかることのできる人間というのは、やはりそうあるべくして存在していることのできる人間だけなのです。
7日にしし座から数えて「確信の根拠」を意味する4番目のさそり座で満月が起きていく今週のあなたは、今こそ根拠のない自信を胸にすると同時に、その胸をごく自然に張っていけるかが問われていくでしょう。
葦の芽
確信を抱くというのは、これまでやってきたことの繰り返しやだらだらとした横展開とは異なる、垂直の軸を立てて、そこから新しい神聖な空間が展開されていくというイメージでもあります。
より能動的に言えば、それはゆるやかな流れの断絶であり、殺害。与えられた自然な素材を「切って」、新しい宇宙が開けてくるここぞという特異点を発見し、まず石を置いて、空間を立てていく訳です。
例えば『創世記』では、そうした行為のイメージを次のように描写しています。
「天地開闢の初め、大地は混沌として漂い、まるで水面に浮ぶ脂のようだった― 一説では、水に浮かぶ魚のごとくであった、あるいは、水に漂うクラゲのごとくであった。そこに突然、一つのものが出現したのである。その形は葦の芽のようであった。」
これから、どこに、どんな垂直的な精神を立てていくのか?しっかりと腹をくくり、これからの活動の基盤を見つけていくべし。
今週のキーワード
ヤコブのはしご