しし座
存在としての輪郭を整える
心臓はなぜ動く?
今週のしし座は、心臓を動かす電気のごとし。あるいは、感覚的なものとを超感覚的なものとをクロスさせていくような星回り。
心臓は1分間に約72回、1日に約10万回拍動していますが、この拍動が5万回程度になってしまうとペースメーカーを入れなくてはいけなくなるのだそうです。
電池も入っておらず、コンセントにも繋がれていないにも関わらず、心臓は毎分毎日どころか、生後7週間から死ぬ瞬間まで休まず動き続けてくれる訳ですが、ではこの心臓を動かしている電気は一体どこからやってきているのでしょうか?
心臓の右心房付近にある洞結節という場所がペースメーカーの役目を果たし、心臓の収縮を指令するための電気的興奮が作られているそうなのですが、じつは発生場所は分かっていても、どうやって電気が発生するのかまでは未だ現代医学では解き明かせてないのだとか。
一方で、中世の医師たちはこの心臓はなぜ動くのかという問いに対し、「太陽から」という答えを出しました。心臓には心房と心室を隔てる壁をあわせ、縦横十字の壁が形成されていますが、そこに太陽神がいるのだという認識を持っていたのです。
ただ、占星術ではこうした発想は珍しくなく、太陽の他にも肺は水星、腎臓は金星、胆のうは火星、肝臓は木星、脾臓は土星とつながっていると考えられ、人間の体はまさに小宇宙をなしていると体系づけられていました。
こうした発想を合理的な科学的知識が浸透する以前の迷信と断じてしまう人もいるかも知れませんが、17日にしし座から数えて「調整」ないし「奉仕」を意味する6番目のやぎ座で満月が起きていく今週は、自分にとってとても身近で、慣れ親しんでいる日常のなかにある種の超感覚的な「目に見えない影響力」が働いているのを実感していきやすいタイミングと言えるでしょう。
塗り絵するように
「上には誰がいる。下には誰がいる。
隣りには誰がいるのだろうか。
特別というものはなく、単に魂の過程に見合った役割の技。」
これは橋龍吾さんの「アパート(a part)」という詩ですが、人間存在の神秘性は、まさに人間が宇宙秩序の一歯車でありながら、同時に途方もなく自由であることに在ります。
しかし、自由は無秩序とつねに背中合わせの関係にあるため、時に人はごちゃごちゃとちらかって足の踏み場がなくなった部屋のような状態になってしまうこともある訳で、その度合いはまさに「魂の過程」に見合ったものなのでしょう。
その意味で、今週のしし座のテーマは、ごちゃごちゃとしてうすぼけた自分という存在に輪郭線を引き直し、自らの手で鮮やかな色彩を入れていくこととも言えるかも知れません。
今週のキーワード
下なるものは上なるもののごとく