ふたご座
遊びの最中
すべては最中にある
今週のふたご座は、白紙の地図を自らの足で埋めていく冒険者のごとし。あるいは、自分や人生が未完成品であるということを、再認識していくような星回り。
完全なる完成品ほど未完成に見えるものであり、大いなる技巧ほど下手くそに見えるものだということを、2500年前に生きた老子という人が書いていました(『道徳経』第45章)。
これは逆に言えば、現在の自分に不足を感じつつそれでも生きようとしている限り、その人は大丈夫だということです。
その意味で、今週のあなたは自分の大いなる不足を目の当たりにしていくチャンスを与えられていくのだと言えるでしょう。
それをもって「やっぱり自分はダメだ」「いくつになっても中途半端だな」などと思ってしまうかもしれませんが、そういう人ほど「真実は裏腹」という霊的教えの伝統をよくよく思い出してほしいのです。
例えば、地図というものが、自分の血肉によってつねに書き足されている最中(さなか)にあるということこそがその本質的な価値であるように。
さあ大変だ、どうやって乗り越えようかという瞬間をどうか少しでも楽しんでみてください。
内なる子供の声を聞こう
「遊びをせんとや生まれけむ 戯れせんとや生まれけん」
という梁塵秘抄の有名な歌の箇所には、
「遊ぶ子供の声聞けば 我が身さえこそゆるがるれ」
という続きがあります。
これは前半だけ聞くと、遊女が自分の境遇を見つめて、こんな風に遊びや戯れのようなことばかりするために自分は生まれてきたのだろうか? と疑問を感じているさまを詠んだものと思えるのですが、実はいまだに解釈が分かれているのだそうです。
しかし続き部分まで読んでいくと、むしろ禁欲生活をしてきた出家者が、子供が無邪気に遊んでいる声を聴いて揺れる心を歌っているものと解釈した方が自然なように思えます。
いずれにせよ、子供の声にも真剣に耳を傾け向き合うという行為は、今週のふたご座にとって最高の禊ぎとなるでしょう。
見栄を捨て、アホみたいになれるかどうかが時に大きな運命の分かれ目となるのです。
今週のキーワード
遊びをせんとや生まれけむ