やぎ座
火に惹かれていく
火を焚きなさい
今週のやぎ座は、消えようとすると育てられる焚き火のごとし。あるいは、遊びをともなう交わりを通して生きる希望を取り戻していくような星回り。
人間は火を焚く動物であり、火を焚くことができれば、それでもう人間らしい人間なのではないでしょうか。
派手なネオンに彩られた虚栄の街へと出かけ、そこで背中まで夕闇が迫って、必要なものとそうでないものの見分けがつかなくなったり、自分の価値を見失ってしまった時、私たちは再び自分の手で火を焚かなければなりません。
オレンジ色の神秘の炎を見つめ、その炎の奥の金色の神殿から、他の誰かに信じ込まされた物語ではなく、他ならぬ自分自身の裸の目と耳に響く、昔と今と未来の物語が聴こえてくるまで。
したがって、焚き火というのはどうしたって仕事というより、遊びでするものとなります。そうして落葉がなくなったり、くすぶったりして火が消えそうになれば、また燃える材料を足したりつついたり、誰かから火種をもらったりして、火を守っていくのです。
11月5日にやぎ座から数えて「生きた交流」を意味する11番目のさそり座で新月を迎えていく今週のあなたもまた、精神が自然と昂ぶるような相手や場所に足を運んでみるといいでしょう。
引いて、越していくこと
現在というものは、未来からくるものです。私たちは何も考えず生きていても自動的に過去から未来に移っていると思ってしまっていますが、これはとんでもない勘違いでしょう。
たとえば「引っ越し」というのは、過去から未来に「引いて」、「越す」と書きますが、これは言い換えれば、生きるということは絶えず「バック・トュー・ザ・フューチャー(後ろ向きの前進)」なのだということの端的な表れなのだと言えます。
そう、だから私たちは時どき、古い家から身を「引いて」、新しい家へと「越して」いかなければならないんです。そうしないと、古い自分に閉じ込められて、過去に自分が作り出した残像に執着したり、迷いの世界にさまよい込んでしまうから。
その意味で今週は、いて座の人たちにとって、改めて幸せの在り処が過去にではなく、未来からやってくるものなのだと思い直し、「引っ越し」していくタイミングなのだと言えるかも知れません。
やぎ座の今週のキーワード
後ろ向きの前進