やぎ座
火の神に奉じる言葉を
「問う」ということ
今週のやぎ座は、聖なる火と内なる確信の守り神としてのヴェスタに、祈りを捧げていくような星回り。あるいは、根拠のない自信の中身を、きちんと言語化していく必要の中にあること。
ヴェスタは古代ローマ神話における「かまどの神」ですが、神像ではなく「燃え続ける火」そのものがご神体であり、夫も子もない処女神でありました。
つまり、その御前では一切の嘘やごまかしが許されない極限まで清められた存在であり、各ポリスのヘスティアーの神殿の炉は国家の重要な会議の場でもありました。
人間には「食べたい」という本能に負けないくらいに強く、「崇拝したい」という本能が備わっています。
それは言うならば自分の存在の核心に迫りたいということに他ならず、そこで私たちは自己の内奥に向かって「何が」「なぜ」「どこへ」「いかに」と問うのです。
今週は身も心も清め祓い、ひとつの指針の訪れを静かに迎えていくような、特別な瞬間があるかもしれません。
真実だけを述べることを誓いますか?
例えばゾロアスター教にも、最高神アフラ・マズダーに従う七人の善神の一人に「アシャ・ワヒシュタ」という神さまがいます。
アヴェスター語で「最善なる天の理法」を意味し、中世以降の神学では火の守護神とされ、ついには聖火そのものと同一視されていきました。
そんなアシャに付随する意味は非常に多岐にわたっており、ここではそれらを網羅することはとてもできませんが、あえて最も重要な意味を一つ挙げるとすれば「真実」でしょう。
つまり聖火とは「偽り」の敵対者であり、 「不浄」を決して許さず「清浄」をもってその敵対者を焼き尽くす神であると。
今週のあなたもまた、それくらいの厳しさで自分の言葉や心情を清めていくくらいのつもりでいてください。
火の神は確かに恐ろしい神でもありますが、その通過儀礼を経た言葉は永遠に刻まれるほどの力を得るのです。
今週のキーワード
火文字