みずがめ座
変態と儀式次第
背景を書き換える
今週のみずがめ座は、蝶へのメタモルフォーゼ(変態)を遂げつつあるサナギのごとし。あるいは、環境の側が用意してくれたものに頼るのではなく、自らの意志で厚い壁を破っていくような星回り。
いまあなたは、根本的な変化のプロセスが必要とされているのかもしれません。
そして自分を積極的に変えていく際に問われるのは、自分という存在の成立条件としての背景そのものを変えていくことができるかです。
たとえば幼虫時代の生活を特徴づけるのは、まず何といっても「這いずり回る」という行動様式です。外敵を常に気にしつつ、いかにバレないように「擬態」するかであり、あるいは葉(食糧)をいかに「大量に」確保できるかでした。
一方、成虫になってからの最大かつ唯一の目的は「産卵」であり、そのために「交尾」をし、産卵に最適な場所を自らの「翼で飛んで」探していくのです。
ここで思い出しておいてほしいのは、私たちはいつだって、イメージの中で1度経験したことにしか現実を近づけないということ。つまり、事実とは常に2度目の現実の別称なのであり、1度目の現実の有り無しは意志と覚悟次第なのだということです。
ありのままの現実とのぞましい現実
「メタモルフォーゼ(変態)」は、オカルティズムの用語では「イニシエーション」として置き換えられます。
なんだか堅苦しいもののように聞こえるかもしれませんが、実際、人の手によって創作された歌や物語のほとんどは、完成度の違いはあれど作者が自分を変えるために創った何らかの「イニシエーション」の残滓なのです。
つまり、すべての創作者は作品の中に「のぞましい現実」への足がかりを見出そうとしているのであり、創作以前と以後とで変態を遂げるための背景変換の儀式遂行こそが創作の本質なのです。
あなたが産み出し、創ろうとしている世界がどんなものなのか、今週はまずはそのディテールから考えてみるといいかもしれません。
今週のキーワード
DIYイニシエーションとしての創作