みずがめ座
滑稽でもいいぢゃないか
こちらは10月18日週の占いです。10月25日週の占いは諸事情により公開を遅らせていただきます。申し訳ございません。
平凡でささやかな喜び
今週のみずがめ座は、「ずんぶりと湯のなかの顔と顔笑ふ」(種田山頭火)という句のごとし。あるいは、何気ない出来事やささやかな心の震えがいつも以上に沁みていくような星回り。
「どうしようもない私が歩いてゐる」といった自由律俳句で知られた作者は、いくたびも酒の失敗を重ねたのち、最晩年に松山で庵を結んで、慎ましい暮らしの中で少しでもまっとうな人間になろうとあがいていました。
しかし、それでもわずかに残ったお金を時おり奮発して、道後温泉に浸かって、入浴後の一杯を楽しんでいたようです。掲句もまた、そんな一杯にありつけることを想像して、こみあげる嬉しさをなんとか抑えつつ句にしたためたのでしょう。
それは結局は酒をやめられない、滑稽で物悲しい人間の現実でもある一方で、妥協や諦めを繰り返しつつ、ささやかな楽しみに喜びを爆発させている無邪気な人間の真実でもあったように思います。少なくとも、この句にはどこか切ない魂の輝きのようなものが感じられるはず。
同様に、20日にみずがめ座から数えて「心のふり幅」を意味する3番目のおひつじ座で満月を迎えていく今週のあなたもまた、否応なく平凡で、取るに足らない些事にこそ一喜一憂していく自分を大切にしてみるといいでしょう。
心の奥底での芽吹き
これまで停止していた心の動きやほとんど忘れかけていた感情が突然動き出して、みるみる間に種子から芽を伸ばしていくように進展していくような今週ですが、こうしたプロセスは少なからずあなたの周囲の人間関係にも影響が出てくるでしょう。
もしあなたがシングルなら、息を継ぎ一休みできる相手なら誰でもいいという心境にはもう居られなくなっていくはず。もっと自分の中の最高の満足を追求し、あるいは芽吹き始めた思いをより一層掻き立ててくれる相手でなければ、と。
また、もしパートナがいるならば、今まで気付かない振りをしてきたり、宙ぶらりんにしたまま触れずにいた関係性の側面に、どこかで踏み込んでいくことになるでしょう。ただ、それは思考で相手や自分を分析したり、切り捨てたりというのではなく、より大きな主語にいたるための想起であり、再統合のプロセスとなっていくはずです。
こころをのびのびと解放していくと、いい意味で「わがまま」になっていくもの。
もっと自分はわがままになってもいいのだと、今週は自分に語りかけてあげるくらいでちょうどいいのかも知れません。
みずがめ座の今週のキーワード
自分勝手でも他人思いでもなく