みずがめ座
リアリティーの刷新
響きとしての世界
今週のみずがめ座は、「私はインコである」と言う先住民のごとし。あるいは、違う音だけれど響きあっているという感覚を中心に据えていくような星回り。
人類学のフィールドワーク記録の中には、現代社会の基準からすると、とても不合理で、話の通じない考え方をする人々がよく出てきます。
例えば、「私はインコである」と言うアメリカ大陸の先住民に対して、宣教師たちは「インコは鳥だろう。あなたがインコであるはずがない。あなたは誰か?」「いや、私はインコなのだ」という問答が繰り返される光景はしばしば見られました。
しかし、北アメリカの先住民たちには「レッドフォックス」という名前を持っているなど、自分たちの先祖と動物との間に共通性を見出しており、これは一オクターブ異なる「ド」の音同士が、違う音だけれど、響きあっていく。「あっ、これは同じ音だ」と感じられるのと似ているように思います。
世界は響きであり、この世界にある物事はすべて響きあっており、ひとつひとつは孤立しているのではなく、共鳴をつうじて繋がっている。そうしたホモ・サピエンスが出現した頃にもっていた古いマインドセットを彼らはまだ有していたのです。
10月1月から2日にかけて、みずがめ座から数えて「声と現象」を意味する3番目のおひつじ座で特別な満月を迎えていく今週のあなたもまた、20年前のホモ・サピエンスの基本的な感覚と思考に立ち戻っていくことがテーマとなっていくでしょう。
虫の知らせを受けとる
昔から、通常の手段では知り得るはずのない「未知の情報」を不意に受け取ってしまうことを「虫の知らせ」と呼んできましたが、それは神のおとずれのようなものかも知れません。
日本の神はどこかにじっと常駐していることはありません。いつもは山や海の彼方にいるか、あるいは移動し続けていて、ときおり私たちの生存圏に訪れてくる「マレビト(来訪神)」、すなわちストレンジャー(異邦人)なのであり、そうした神は現実が刷新されていく節目には必ず訪れるものでした。
そして、「虫の知らせ」の虫とは、神の来訪を事前に告げ知らせるためのお遣いであり、昔からそうした虫を察知すると日本人は「予祝(よしゅく)」といって、多産や豊作を祈願するにあたり、前もってその実現を盛大に喜び、宴を開いて祝ってきたのです。
そして今週のみずがめ座もまた、そうした心積もりが大切になってくるはず。おとずれを受けとり、共鳴する。うまくいけば、そうした古い様式への親近性を自分の中に見出していくことができるかも知れません。
今週のキーワード
鳥占い