みずがめ座
ビームのように思いを放つ
死を退ける力
今週のみずがめ座は、「万緑や死は一弾を以て足る」(上田五千石)という句のごとし。あるいは、生命力の高まりのままに思いをぶつけていくような星回り。
「万緑(ばんりょく)」とは、中国の宋代の文人・王安石の詩句「万緑叢中紅一点(あたり一面の新緑の中に赤い花が一輪だけ咲いている)」に拠った言葉ですが、掲句では「紅一点」の代わりに「死」がそこに置かれています。
とはいえ、句全体の雰囲気は陰鬱とは真逆のものであり、こんな嬉々とした死の詠みぶりは滅多にないというくらい、若々しく、溌溂としています。
情景も青ければ、表現も若いのです。まさに若者でなければ詠めない句であり、漢文調の言葉遣いは理知的でありながら、その内容の方は「殺せるものなら殺してみろ」と言わんばかり。
この普通ならドン引きされかねない生命力の昂ぶりも、いまのみずがめ座にとっては特別違和感も覚えないのではないかと思います。
23日にみずがめ座と同じ「風の星座」であるふたご座で新月を迎えていく今週は、自然と自分の思いをストレートに打ち出したり、ぶつけていくことに抵抗がなくなっていきやすいでしょう。ぜひ、そこで出てきたものを自身でも楽しんでほしいところです。
光明に打たれる
いつだか「希望は美しい、絶望も美しい。だが、両者をわけるものは、もっと美しい」という一文をどこかで見かけてから、「希望と絶望をわけるもの」とは一体何だろうかと密かに疑問を抱き続けてきました。
いまだそれに対する確信的回答は得られてませんが、暫定的な回答として、それは「光明」ではないかと考えています。
「光明」というのはただの「光」ではありません。天を覆う暗雲のわずかな隙間を縫うように射し込んでくる一条の光であり、そこには身体を震えさせる歓喜や感動があります。
暗い影の世界にいるからこそ光明は感じることが出来るし、なにかを失って初めて永遠ということが分かることもある。
今週のみずがめ座は、世界のどこかから差し込んでくる「光明」に出会うことができるか、ということもまたテーマになっているように思います。
今週のキーワード
ギリギリのところに自分を置いて、そこから命を拾っていくこと。