みずがめ座
偶然と拡張
ベンケイたれ
今週のみずがめ座は、生の波うつセイロンベンケイのごとし。あるいは、流されるままに生きることで、未来にたどり着いていこうとするような星回り。
主に、熱帯の高地に原生する学名カランコエ・ピナータことセイロンベンケイは、葉から芽が出ることで有名で、アフリカやアラビア半島、東南アジアに見られるが、沖縄の海岸にも分布し、海洋民によって伝播された有史以前の帰化植物であろうと推測されている。
ベンケイというのは、あの「弁慶」から取られたもので、やはりたった1枚の葉からも芽吹く生命力の凄まじさに彼の面影を見たのだろう。
海をこえ、葉のみの不思議な生命体となった折には、エアー・プラントに様変わりして、この世界の周縁に点在する次なる活動の場を身を以てうるおさんとする。そんなセイロンベンケイのいわば捨て身の強さは、いまのみずがめ座の人たちが心に思い描くべき指針としてもぴったりかもしれない。
29日(日)にみずがめ座から数えて「楽観主義と拡張性」を意味する9番目のてんびん座で新月を迎えていく今週のあなたもまた、いかなる場所であろうと、どんな無様な姿になろうと、命尽きるまで精いっぱい生き切ってやろうという決意を新たにしていくべし。
プランド・ハップンスタンス理論
「プランド・ハップンスタンス(計画された偶然性)」とは、スタンフォード大のクランボルツ教授によって提唱されたもので、「個人のキャリアの8割は予期しない偶発的なことによって決定される」ため、要は「その偶然を計画的に取り入れられるよう自分をデザインしていこう」というキャリア理論です。
とはいえ、ここで言及したいのは、そうした理論の詳細を正確に理解しようという話ではありません。
むしろ結果から振り返ってみると、何が近道になるのか分からないよねってことだったり、そもそも自分は最短ルートの近道をしたいのか? というとそうでもなかったり…なんてことも少なくないのではという話です。
この理論において問われるのは、偶然に起きた出来事に対して受動的に対応しながらも、いかにそれを能動的な変化へと結びつけていけるかどうかということ。
今週は、予測不可能な事態を待ち望んでおけるよう、つねに頭のどこかに見えないアンテナを立てて、すこし先の未来を視野に入れていくといいでしょう。
今週のキーワード
偶然は完全