おうし座
色気・こだわり・余裕
魂の自覚は有りや無しや
今週のおうし座は、「好きを仕事に」のしんどさを突き抜けられるかどうかが問われてくるような星回りです。あるいは、プロとアマチュアの線引きをにおいて自分が果たしてどちらの側に立っているのかがハッキリしてくる。
そもそも「好きを仕事に」というのは、非常に矛盾したスローガンですし、実際にそれを高いレベルで実現できている人というのは、多大な矛盾をある程度の期間に渡って抱え続けることのできるごく少数の人のみで、口が裂けても万人にオススメできる類のものではありません。それを踏まえた上で、「好きを仕事に」できるのは、そう在りたいではなく、そうでしか在れなかった者。願望はどこまでも願望でしかなく、魂の自覚とは別の回路。
「粋だなあ」という‟感じ”はそうした自覚にこそ宿るのです。
奇術師の矜持
魂の自覚を備えた粋な人というのは、どこか「諦め」ている人でもあります。「諦める」という言葉の語源は「明らむ(アキラカニミル)」で、迷いを断ち切り、出処進退をはっきりさせることであり、その晴れ晴れとした心模様を表します。もう後戻りできない自分の人生を受け止められている状態とも言えるでしょう。
さて、今週のおうし座はそこまで行けるかどうか。どこか奇術師が飛びきりの大マジックを前にした際の緊迫感にも通じるものがあるかも知れません。
例えば1983年に行われたデビット・カッパーフィールドの「自由の女神像消失」。観客はそれが嘘か真か、偶然にしてはすごすぎる、種や仕掛けはどこにあるのかと探る一方で、奇術師にとってはマジックの全ては装置の配置からトークの間(ま)まで、完璧に計算しつくされた必然性に支えられている。
そういう状況では、中途半端な正直者より、肝の据わったはったり野郎の方が、粋な振る舞いも板についてくるものです。
キーワード
魂の自覚、「諦める」、奇術師デビット・カッパーフィールド、願望と偶然⇔自覚と必然