さそり座
図らずも咲いてしまったあなたへ
「遅桜」として
今週のさそり座は、「咲かぬといふ手もあつただらうに遅桜」(澤田和弥)という句のごとし。あるいは、確固としたスタンスを固めていくような星回り。
「機を逸する」という言葉がありますが、ただ万人にとって等しく訪れる「機」というものはなく、人より早く機をつかむことで勢いづいていく者もあれば、周囲の人が忘れた頃になってようやく「機」をつかんで円熟していく者もある訳で、その意味でさそり座の人たちというのは後者の典型と言えるでしょう。
そして、一度つかんだら死んでも離すものかと食らいついていくのもさそり座の性であり、そのあたりは掲句にあるような「遅桜」とも通底する風情があるように思います。
さっさと投げ出してしまうという選択肢もあっただろうに。そうせずに、ひたむきに自身を養い、また繋がりを求め続けてきたのはなぜなのですか?
それはきっと、理屈じゃないんです。打算や損得を超えたところで、あなたを突き動かしているものがあって、‟それ”にあなたは自分の身をどこかであずけたのではないでしょうか。
5日(金)におひつじ座で新月を迎えていく今週は、さそり座のあなたにとってそんな原点回帰をしていくにはもってこいのタイミングとなっていきそうです。
偶像破壊
ブッダならば今のあなたにこう言うでしょう、「犀の角のようにただひとり、歩み続けなさい」と。
これは誰かが指示した通りに道をゆくことに執着しないように、という忠告とも受け取れます。つまり、実際には仲間はいてもいいのです。
時に導いてくれる年長の先輩や、自分が支えとなるべき後輩だって必要でしょう。ただ、実際に道を歩くことができるのは自分だけなのだ、ということは忘れてはいけないということ。
実は、さそり座の人たちには裏テーマがあって、それは「偶像破壊」なんです。
ゆがんだ思い込みや誤った信仰は、悪夢から醒めるかのように必ずいつかは終わっていくもの。執着となっていた欲望や、必要のない関係性はここで断ち切っておきましょう。
すっかり目覚めて、ふたたび自分の足で歩き始めた後は、あなたはより一層無邪気になっている自分に気が付くはずです。
今週のキーワード
犀の角のように