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てんびん座
かそけき環境とのキャッチボール
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パッとした感じ
今週のてんびん座は、「高感度のキリン私が見えますか」(星野早苗)という句のごとし。あるいは、閃きをカタチにしてみることで、それに対するリアクションが返ってくるような星回り。
この句では、キリンが唐突に高感度で出てくる。その「パッ」とした感じが今週の命運を握っていると言ってもいいかも知れません。
きっと理屈は後からついてくるだろうし、逆に感覚的なものをバラバラに分解してみても、そこに分かりやすい説明が見えてくるわけでもない。
いずれにせよ、人生の季節の変わり目や節目を迎えるに際して、消去法は似合わないものです。
自分の中にピンと入ってきたものを素直に掴み、キャッチボールのようにまた環境の方へとやさしく投げ返していく。すると、また何かが返ってくる。投げ返す。返ってくる。
こういうことを何度か繰り返していくうちに、そうか、こういうことだったのか、という腹落ちがやってくる。
環境はいつも周囲に立っている
「私とは、私と私の環境である。したがって私がもし私の環境を救わなければ、私自身は救われないことになる」
と、スペインの思想家オルテガは『ドンキホーテをめぐる省察』の中で述べましたが、今週のてんびん座ならばその言葉の意味がいつも以上に実感できるのではないでしょうか。
「circumistance」とは「周りに立つ」という動詞の名詞形です。
寡黙に、しかし顧みられることを熱望しながら、環境は私たちの周りに立ち続けている。オルテガは先の言葉にさらにこう続けます。
「人間は、自分を取り囲む環境について十分な認識を得たとき、その能力の最大限を発揮する」
大声でメッセージを放つ企業のコマーシャルに気を取られて、道すがらに咲いている可憐なスミレの花を踏みつぶしてしまうことのないよう、今週はしっかりと草葉の陰に目をこらし、露の世を楽しんでいくといいでしょう。
今週のキーワード
かそけきものの声
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