かに座
ドッキリ大成功
運命を誘い込む
今週のかに座にふさわしい言葉は、「世界を作りながら待つ」という一文に尽きるでしょう。
これは何か特別な相手や出来事の予期しない訪れをただ健気に待っている、という悲劇のヒロイン症候群の兆候のような話ではなくて、もっと実践的な行動指針についての話です。
あるいは、自らの妄想の中に誰かを吸い込んだりその逆をやっていくのではなく、自分自身のかねてよりの期待や望みと他者のリアルな現実との釣り合いをなんとか取りつけていく必死の処世術なのだとも言えるかも知れません。
そんなドラマ制作にも似た今週は、何よりも繊細な「気づかい」が命となっていくでしょう。
自然な演出を心がける
何かをじっと見つめる瞳ひとつで宇宙法則を曲げるような真似が許されたのは往年の銀幕スターか東映大女優クラスだけ。
その他大勢の「普通の人々」を代表するかに座であればなおのこと、共演者を気づかい、観客の立場も忘れずに、スタッフのことも十分配慮しつつ共同制作的にシナリオに関与して、刻一刻と変化する舞台世界との駆け引きにあけくれていく必要があります。
そうしたプロセスを経て舞台装置が整ってきたときに初めて、夢見た光景が不意にあなたを襲い、恋した相手がそば近くを通っていく恩恵にやっと与ることができる。それは「運命を誘い込むためのごく自然な演出」と呼ぶこともできるでしょう。
上手な演出は最良の罠のように、スタッフや共演者など身内を騙すことができてやっと完成します。
今週はドッキリを仕掛けるつもりで過ごしてみましょう。
今週のキーワード
罠と演出のあいだ