かに座
生きるゲーム
マリオのごとく
今週のかに座は、黙々と土管や穴をジャンプしていく「マリオ」のごとし。
すなわち、好奇心いっぱいのオーディエンス・サイドから、誰かのニーズを引き受けるプレイヤー・サイドへと立場を転換していくこと。
占いでも、「見たくないものは見なくてもよい、見たいものだけ見ればよい」といった言説がかならず出てきますが、これはプレイヤー・サイドとしては自分自身や自分のいる世界そのものを破滅に追いやってしまう、子供だましのオリエンテーションにすぎません。
マリオが身長の何倍もジャンプしてみせるのも、手から火の玉を出すのも、すべては「姫をすくって敵を倒すべし」というゲームの世界のお約束を果たすため。
そのためにはクリアの条件や障害の克服など、「見るべきものを見落とさず、きちんと見て、必要なことは実行する」というプレイヤーとして守るべき暗黙のルールは当然守っていかなければなりません。
今週はそんな風に暗黙のルールを見出し守りつつ、ダイナミックなプレイでオーディエンスを沸かせていくくらいのつもりで居ると、ちょうどいいでしょう。
ゲーム参加の目的
一方、ピーチ姫はキノコ王国の王女であり、ラスボスであるクッパにさらわれたお姫様で、マリオが大活躍の末にクッパを倒し、キノコ王国を救うというハッピーエンドのトロフィー的存在とされています。
しかし『大乱闘スマッシュブラザーズ』では、そんなピーチ姫がクッパをはるかに凌ぐ戦闘能力を持っていることが分かっており、毎度の誘拐もピーチ姫による狂言誘拐なのではないかという仮説もまことしやかに囁かれています。
ゲームの世界の暗黙のルールとは、それがゲームである限り絶対的なものではなく、書き換え可能なものでもあります。もしかしたら、マリオがこのゲームにあえてコミットし、プレイヤーを懸命に演じているのも、やがては自分の手でルールを書き換え、そこから自由になっていくためなのかもしれません。
すでに自分が参加してしまっているゲームのプレイ目的をどこに置くのか、そんなことも考えに入れてみてください。
今週のキーワード
ゲームとの距離感