やぎ座
世界が以前とは違う輝きを帯びてくるまで
世界が以前とは違う輝きを帯びてくるまで
やぎ座にとって、2024年上半期が既存の現実やシステムに対する違和感の分だけ、その代わりとなるような「これからの未来」を思い描いていった時期だったとすれば、2024年下半期は、逆に「終わりつつある過去」に寄り添っていくことがテーマに。
すなわち、見慣れた現実や既存のシステムにひもづく思い出やそこに含まれた教訓、そしてそれらから自分自身や未来へのメッセージを抽出していく時期となっていくでしょう。
というのも、やぎ座の人たちには2025年後半に木星の動きに基づくある種のグレート・リセットが訪れるのですが、2024年下半期にはその前段としてのやぎ座に冥王星があったここ15年ほどの期間の総括という大仕事が待ち受けているから。
そして、そんなやぎ座に指針となるであろう映画が『シングルマン』です。この作品は、ロサンゼルスの大学で英文学を教えているゲイの主人公ジョージが、長年連れ添った最愛の恋人を交通事故で失い、人生がまったく無意味に思えて仕方なくなってしまうところから始まります。
もはや自殺してしまったほうが楽なのではないか。そう思いついて死を決意してから、ジョージはみずからの死の準備を整えていくのですが、その過程でそれまで色褪せくすんでいた視界の色合いが、にわかに鮮やかに変わっていくのです。そして、大学で話しかけてくれた年の離れた学生の一人と人生のことについて語りあっているうちに眠ってしまい、それまでずっと死のうとしていたのが嘘だったかのように「世界が清らかになった」と言って自殺をやめるのです。
会話の中で自分の口から出てきた「ほんの数回だけ他者と真の関係を築けたことがある。それだけが僕の人生に意味を与えてくれた」という言葉は、ジョージ自身にとっても過去からの贈り物のように感じられたのではないでしょうか。そして、同時に聡明な彼は気付いてしまうのです。いまの学生と話していた時間も、過去のかけがえのない日々と同じくらい価値があるということに。
同様に、今期のやぎ座もまた、本作のジョージがたどったのと同じ心境の変化に近いものを感じていくことができるかも知れません。
2024年下半期:やぎ座の各月の運勢
7月「緩和政策の発動」
7月2日から3日にかけて、やぎ座の守護星で「制限と抑圧」の土星に、「楽しみと快楽」の金星が穏やかに働きかけてゆるませていきます(120度)。これは言わば「リミッターの解除」が自然と起きていきやすいタイミングと言えます。ルールって厳しすぎると逆に破りたくなってしまうものですよね。
この時期は「これ以外は考えないようにしよう」とか「ルールなんだから守らなきゃダメダメ」といった思考の線引きがゆるんでいきやすく、例外が発生しやすいはず。結果的に、ルールを少しゆるめてみようとか、ずっと抱いていた悩みがスッキリしたりといった流れも起きていきやすいでしょう。
8月「やってみようジャマイカ」
8月19日には、やぎ座の守護星で「一貫性」を司る土星を、金星と木星というゆるゆるコンビの星たちががっつりターゲットにしてコンボ技をきめてきます。この配置は、緩和政策どころの話ではなく、これまで従ってきた計画や行動マニュアルをゴミ箱に捨てて、そもそも計画とかマニュアルをつくるという発想自体が間違っていたのかもな~、と鼻をほじりながらアイスを食べるみたいな感じ。
ん、というかこのコンビニで適当に買ったマンゴーアイスバー、うまいな?…てことは、めっちゃ高級なマンゴーを自分で買ってきて、アイスを自作したら、もっとうまいのでは?よしやってみようジャマイカ。なんて流れがあってもOKです◎
9月「戦乱の日々を振り返る」
9月2日には冥王星がやぎ座へいったん戻ります。ここから11月20日までが、いよいよここ15年ほど続いたやぎ座冥王星時代の最後の膿だし期間となっていく訳ですが、他ならぬやぎ座の場合、自分自身の生まれにまつわる因縁だったり、そんな自分がこの世で生きがいをガツンと感じていくためのあれやこれやの試行錯誤という形で現れてきやすかったはずです。
また、それは壁にぶつかる度にすべてをリセットしたくなる破壊衝動や生まれ変わり願望として、この15年の間ずいぶんあなたを悩ませたかも知れません。冥王星がみずがめ座に入ったり戻ったりしてきたこの1年半のあいだ、そうした症状がどのように落ち着いたり、ぶり返したりしてきたのか、このタイミングで改めて整理してみるべし。
10月「雨を降らせて地を固めよう」
9月末から10月頭にかけて、やぎ座の守護星で「安定性」の土星に、「運動性」の火星が同調的に働きかけてきます(120度)。これはいわば、列車のレールの点検や整備の仕上げとしての走行テストのような配置。
具体的には、この時期にあなたの考えに対してツッコミや批判が入ったり、過熱した議論に発展することもあるかも知れません。ただ、それは「雨降って地固まる」式の安全確認であり、最終調整でもあるのです。ここで「うん、これで大丈夫」という感じを抱けたら、それが2025年に入ってからの活動の礎となっていくはず。
11月「その書を捨てよ!」
11月12日に前後して、「確かな知識体系」を象徴する土星に「知的好奇心」の水星が死角からツッコミを入れていきます(90度)。この配置は、教科書はつまらないと、教室を脱け出して書店や図書館に向かう生徒(ないし先生)をイメージすると分かりやすいかも知れません。
分かっていることや確実に正しいと言えることしか記載されていない教科書は、水星の立場からすれば退屈で、つまらないんです。それより、今でもわからないこと、専門家のあいだでも意見が別れていることが何なのかが知りたくなって、生徒は専門書や論文を読もうとしている訳です。あるいは、「書を捨てよ街へ行こう」と、直接自分の実体験を通して確かめていきたくなることだってあるでしょう。
12月「力と力のせめぎあい」
12月4日に前後して、やぎ座の守護星で「終わらせる力」を司る土星に対して、今度は「生命力」を象徴する太陽が激しく揺さぶりをかけてきます。これは『シングルマン』で、今日の終わりには自殺することに決めていたジョージに、突然学生が話しかけてきたことがきっかけで、ジョージの中の「生きたい」という気持ちが再燃するというストーリー展開とそのまま重ねることができるでしょう。
力というのは、対抗する勢力と真剣にせめぎあうことで初めて、その真価を発揮していくもの。正念場がきたら、逃げずに真剣勝負を挑んでいくべし。
2024年下半期:やぎ座の「指針にしたい映画」
本命:『シングルマン』(2009、アメリカ)
対抗:『ライ麦畑の反逆児 ひとりぼっちのサリンジャー』(2017、アメリカ)
大穴:『静かなる情熱 エミリ・ディキンスン』(2016、イギリス & ベルギー)
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