ふたご座
仲間や家族のガラパゴス化
仲間や家族のガラパゴス化
海王星と土星という「見えない繋がりの活発化」を意味する惑星の組み合わせが、ふたご座から数えてそれぞれ3月末と5月下旬に畳みかけるかのように「社会生活の理想」を意味する11番目のおひつじ座に移動していく2025年上半期は、知り合いや友人、仲間、家族などとの関わり方やつながり方の基準の変化を大いに体感していくことになるでしょう。
これまでなら機能していたような同じ経験や景色を共にしていることによる共感や、金銭の授受や法的な拘束などに基づく“強い”つながりは押し流されて没していき、代わりにあまり同調や協働を強制されず「自分ひとりで楽しむこと」を促しあえるような“弱い”つながりのほうがむしろ残っていったり、ひょっこりと浮上してきたりするはず。
そうした今期のふたご座にとっては、例えば太平洋の彼方に浮かぶガラパゴス諸島がかつて同じ一つの大陸だったものが海に没して離れ離れになっていったのではなく、一つひとつ異なる火山だったものがそれぞれ独立しながら時間をかけて群島を形成してきたという地質学的事実は大きな指針となっていきそうです。
ガラパゴスのあまたの島々にすむ動植物たちは、大部分はそれぞれの島で違っているにも関わらず、世界の他のどこの生物とよりも比較にならないほど相互に似ていて、いわゆる「ガラパゴス化」と呼ばれる特異な進化を遂げていることで知られていますが、それも地理的には互いに視野のうちに入るほど近いにも関わらず、しかし同時に本質的には分離していてバラバラであるという群島の特質と表裏の関係にあります。
そして、こうしたことを仲間や家族のあいだで体現しているモデルとして、ムーミン谷の人びとが挙げられるのではないでしょうか。文学研究者の横道誠は『なぜスナフキンは旅をし、ミイは他人を気にせず、ムーミン一家は水辺を好むのか』という本のなかで、ムーミン世界の特徴を「ニューロマイノリティ(発達障害)的」であると指摘し、そこではみなそれぞれが独特なこだわりを持って自閉的に暮らしており、不安感に苛まれやすいにも関わらずディスコミュニケーションに陥りがちというニューロマイノリティの難点をゆるやかに共有しているのだと述べています。今期のふたご座もまた、そんな奇怪かつ愉快なつながりを一つ目指してみるといいでしょう。
2025年上半期:ふたご座の各月の運勢
1月「メタ認知引き出し期間!」
1月3日から4日にかけては、ふたご座の守護星で「言語化」の水星に対して「冴えをもたらす」天王星がなんらかの壁越えをするための努力を強烈に促していきます(150度)。まだお正月ムードが抜けきらず、新年会やら実家への帰省やらでだらけてしまいやすい時期ではありますが、いつもより一段高いところから自分を見つめ直したり、自身をとりまく複雑な文脈について洞察したり、それを言葉にしていく集中力が高まりやすいタイミングなので、1時間だけでも机にむかってノートに考えを書き出してみて欲しいところ。
特にスタンダードな解法とはひと味違うような「逆転の発想」が生まれてきやすい配置なので、厄介で狂おしいこと、常識的に考えたら難しいことほどここで向き合ってみるべし。
2月「一寸先はパルプンテ」◎
2月20日から21日にかけて、ふたご座の守護星で「コミュニケーション」を司る水星が、「わっ!これおもしろそう」を発動しまくるふたご座の木星に強烈に揺さぶりをかけられていきます(90度)。この時期は、ある意味前月の記述とは対極で、思考の軌跡も会話の経緯もとにかくふらふらぶらぶらしていきやすく、二度と生み出せないようなボケを連発したり、いつもの自分だったら会話さえ成立しないような相手と縁がつながっていったりと、何かと予測不能なハプニングが起きていきやすいでしょう。
「引くほど普通じゃない」「当り前にうまく行かない」そんな事態を改めて前提にしていく心構えが養われるはず。
3月「私たちのユートピア計画」
3月30日には「一体化」を強烈に促す海王星が約13年ぶりに星座を移動し、ふたご座から数えて「集合的な希望/願望」を意味する11番目のおひつじ座に移ってきます。この時期のあなたは、魂の団結(ソウルユニオン)の模索がむくむくと膨らんでいきやすく、何かと個人主義的になりやすいふたご座の人たちであるにも関わらず、“Ⅰ(私)”から“We(私たち)”へと基本単位が変わって理想的な社会の在り様の夢を見ていくことになるはず。
かつてトマス・モアが『ユートピア』を書き、マルクスらが『共産党宣言』を発表し、元薬物乱用者の近藤恒夫が「東京ダルク(薬物依存症者の回復支援施設)」を開設したように、自分が求める理想の社会ビジョンを実際に普段から交流している仲間や家族、身を置いている文脈などに即して思い描いてみるといいでしょう。
4月「駆け巡る質疑応答」
4月16日から17日にかけて、ふたご座の守護星で「問いかける力」を表す水星が「神秘的な結束感」をつくりだす海王星と重なっていきます。前月末からの流れで、思いついたアイデアや固まってきたビジョンをすぐさま誰かに話したくなってメールや手紙を出したり、逆に思いがけない人が連絡をくれて真実味のあるリアクションをしてくれたりといったタイミングですが、海王星というのは物理的な制限だけでなく時間的な制限も超えていきやすいので、自分と似たようなことを考えていた過去の人物がたまたま見つかったり、誰かに教えてもらったり、はたまた向こうから近づいてきたりといったシンクロニシティ(意味のある偶然の一致)が起きていきやすいでしょう。
ただし、どうしてもこの時点では詰めが甘かったり、ディティールがめちゃくちゃだったりするので、完璧主義になりすぎないよう気軽に動いていくことを心がけて。
5月「一つの案にまとめあげていくために」
5月25日には「課題」を表す土星が約2年ぶりに星座を移動し、ふたご座から数えてやはり11番目のおひつじ座に移ってきます。これは前月までの流れに足りないものを補っていくプロセスを暗示しています。すなわち、あなたがそこに属すことでなんとなく充たされているいくつかのグループやクラスターの主張や考え方を統合し、矛盾している箇所や必要な細部やリアリティを加えて、改めて一つにまとめあげていく必要があります。
この2年ほどのあなたは、どちらかと言うと与えられた役割の中でできる限りのパフォーマンスを発揮してみせることが課題でしたが、ここからはあなた以外の仲間や家族が突きつけてくる様々な要望に折り合いをつけ、妥協点や着地点を模索していかなければなりません。もちろん、それができなければあなたの思い描いたビジョンは漠然とした期待にすぎず、おそらく近い将来、失望や落胆へと変わっていくはず。本当の意味で「自由」に生きていくための地道な地固めを進めていくつもりで過ごしてみてください。
6月「あれがこう来るとは!?」
6月10日には「拡大と発展」を司る木星が、ふたご座から数えて「経済活動」を意味する2番目のかに座へと移っていきます。ここからは資産を増やすための手段や具体的なアイデアが新たに生まれていくか、なんだかんだと欲しいものが増えて出費がかさんでいくかのどちらかに振れていきやすいでしょう。
その鍵を握るのは、基本的にはやはり前月までの一連の理想の暮らし方やコミュニティに関するビジョン固めにあるのですが、案外助けになるのは2月に広げておいた人脈や引き出しであったりするはず。すぐに役に立つものというのは、消費期限も早くくるものですが、逆に当初は何の役に立つのかよく分からなかったモノやヒトほど、後になって大切なミッシング・ピースを埋めてくれたりするものなのかも知れません。
2025年上半期:ふたご座の「パワーソング」
はっぴいえんど「風をあつめて」
松本隆が作詞、細野晴臣が作曲を手がけた1970年代初頭の曲(大瀧詠一と鈴木茂は制作に加わっていない)。パッと聞いた感じだと、おだやかで落ち着きのある空気感がきもちいい一曲ですが、現在の心象風景を描いたのであろう3番の「人気のない朝の珈琲屋で暇をつぶしてたら/ひび割れた玻璃ごしに/摩天楼の衣擦れが/舗道をひたすのを見たんです」という歌詞を読んでいると、かつて思い描いた理想の通りにはいかなかった現実に半ば絶望、半ば逃避妄想をめぐらしつつ、かすかな希望に賭けて「それで僕も風をあつめて/蒼空を翔けたいんです/蒼空を」と締めくくっているのだということがわかってきます。なお、メロディそのものはレコーディング直前まで出来上がっておらず、松本隆いわくこの曲は「まぐれでできた世紀の名曲」でもあるのだとか。
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