Instagramで約15万人ものフォロワーを持つ、コラージュ作家のQ-TAさんにインタビュー!
PoRTAL Shibuyaで待ち合わせをして、普段は見ることのできない素顔や、制作の裏側についてお話を伺いました♪
有名ブランドも惚れ込むアーティスト
―普段はどのようなお仕事をしていますか?
アートディレクターです。主にアパレルのヴィジュアルなど作っています。それとは別に、Q-TA名義でコラージュ、デザインの作家活動をしています。
―2つの顔を持っているんですね。Q-TAさん名義での最近のお仕事はなんでしょうか?
面白いところだと、ファッションブランドのGucci(グッチ)が昨夏くらいに始めた「グッチグラム」に参加しています。ネットメディアで人気のあるアーティストがGucciのテキスタイルを使って作品をつくり、GucciのSNSで世界に発信するという企画です。
前回は世界のアーティスト20組の中に選出され、日本では私を含め2名が参加しました。
今回はアジアのアーティストとコラボということで再び依頼を受け、作ったのがこれなんですけど…
モデルの撮影から行い、和テイストのテキスタイルを活かした新しい世界を作りました。
―ファンタジーとミステリアスが融合した惹きこまれる作品ですね!さて、Q-TAさんはご自身の性格をどのように分析していますか?
コミュニケーション能力は高いと思います。昔からイベントの企画やアートグループ展など開催していました。今でも美術系の学校で講演を行ったり、ワークショップも定期的にやっているので、人と接することが多く、誰とでも仲良くなれます。
―ワークショップをやっていらっしゃるんですね!
幅広い年齢層の方々に参加いただいています。でも9割は女性ですね。
男性より女性の方がコラージュに敏感で、シュールなものをかわいいと解釈できますし。フォロワーを見る限り、自分のファンのほとんどは女性だと思います。
― SNSを拝見したところ、音楽活動もされているようですが。
もともとQ-TAという名前がDJネームなんです。異なる2枚のレコードをミックスして、新しい流れを作っていくというところが今やっているコラージュと似ています。
自分で1から作るのではなく、目の前にある素材をどう料理し、提供するかという即興性を大切にしています。
―普段どんな場所に出かけますか?例えばアーティストの方なら美術館とか…。
以外と美術館とかは行かないんですよ。中野ブロードウェイにいますね(笑)海外フィギュアを集めるのが好きで、昔は家のショーケースに何百体ものフィギュアが並んでました。
最近は置く場所がないので買わずに見るのみにしてますけど。
インスタがきっかけでコラージュ作家に
―インスタグラムを始めたきっかけはなんでしょうか?
2011年から始めました。周りに写真をやってる仲間が多かったのでなんとなく始めた感じでした。
最初は自分も抽象的な写真など載せていたのですが、途中からコラージュ的な作品を投稿するようになりました。その頃は今みたいに写真以外の作品を載せる人も少なかったんですよ。
いざ初めてみると思いのほか反応が良かったので1度まとめて「land land」というコラージュ作品集を作ったんです。そのタイミングでコラージュアーティストと名乗り始めました。
コラージュは前から好きだったけど、作品を作っていこうと思ったのはインスタがあったからですね。
―インスタグラムを始める前と後で生活に違いはありますか?
コラージュアーティストとして活動を始めたのが1番の違いですね。あとは表現の責任感というか、作品が見られることを意識するようになりました。
どんな作品が受けるかは、国によって違くて、例えば日本だとわかりやすい可愛い系、デザイン的だとヨーロッパ、勢いのあるコラージュはアメリカからの反応が多いんですよ。女性の裸の写真を使えば、中東の方から厳しいコメントがきたり、本当に多くの方に見られているんだと実感しています。
最近はGucciを始め、世界各国からいろんな連絡も入り仕事の幅も広がりました。
インスタを始める人って、身内だけで楽しんでいる人が多いけど、意識を変えるだけで全く違うツールになるし、目の前にあるツールと向き合ってアプローチの方法を意識していくことが大切だと思います。
―今後インスタグラムでやってみたいことはありますか?
コラージュって平面的なものなので、それを立体的に見せることができたら面白いなって思ってます。
―それは面白いですね!最近インスタはどんどん新機能が追加されているので、近いうちに3D対応なんてこともありえそうですし!
そうですね。ただツールが便利になりすぎると根本の良さがなくなるので、今良いものを変えずに新しい表現を模索したいです。
例えば、3Dではないけど、レイヤーを重ねることで奥行きをだしたり、そういったところでよりワクワク感を演出できると思うんです。
作品の前後を想像させることが大切
―いつもどこで作業をしていますか?
いろんなところで。カッターマットと材料があればどこでもいいんです。自宅でも作業しますけど、猫が2匹いて邪魔されるんです…。
―制作に使うアイテムを見せてください。
1920〜70年代の雑誌、この時代の印刷感が好きなんです。素材は神保町の古本屋とかで探します。
あとはカッターとカッターマットがあれば。切ることができて貼り付けられればいつでもコラージュ作業します。素材によってはカッターじゃなく医療用メスを使うこともあります。
―どのように作品を作り上げていくのでしょうか?
いいなと思うものを切り出して、ページをめくってパズルのように合わせていきます。
あるものを切っていく過程の中で、偶然にちょっとした自分のルールを組み合わせていきます。
作る前になんとなくの方向性は決めるけど、自分が楽しんでいる中でできあがることが多いですね。
―1つの作品を仕上げるのにどのくらいの時間がかかりますか?
そうですね…作品によって違いますが、インスタにあげている作品はだいたい1時間でぱぱっと作ることが多いです。
時間が限られていることで、逆算して何を間引くべきか、最低限の手数で最高の表現をしようと試行錯誤するんです。
何日もかけて作るのではなく、その時の感情を作品にして、その場で公開する。それを毎日続けることの連続性の中で作家性を作り出したいと思っています。
―基本的には、紙を切って貼るアナログ式で制作をしているのでしょうか?
個展に展示するものは基本的に全てアナログで仕上げています。
ネットで日常的に公開するものは、1時間と時間が限られているのでデジタルで仕上げることが多いです。
デジタルで作っても、どこかアナログを感じられるよう粒子感にこだわったり、自作のフィルターをかけることでQ-TA作品の色を出しています。
―作品をつくる時に心がけていることはありますか?
キッカケになればいいと思ってます。見た人が想像したり考えたりして何かのキッカケになるよう表現に「間」を持たせることを意識しています。想像するうちに作品に入り込んでくれるのが理想です。
だから基本的に作品にタイトルを付けません。10人に10通りの解釈があっていいと思うし、自分以外の解釈に出会うことでまた考えが深まっていきます。
自分の中に物語はあるけど、やはり感じて考えて欲しい。自分なりになにかの表現の足しにしてほしいです。
Q-TAさん、貴重なお話をありがとうございました!
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