商品と本が気持ちよくつながりあう売場「MUJI BOOKS」を展開する「無印良品」。豊かなくらしのヒントを発見できるよう、さまざまな「本のあるくらし」を提案しています。
そんな無印良品を運営する「良品計画」と、インドの小さな出版社「TARA BOOKS(タラブックス)」による、ハンドメイド絵本『みなそこ』が誕生。
MUJI BOOKS展開店舗とネットストアにて販売されています。
インドの小さな出版社と作った絵本『みなそこ』
絵本『みなそこ』(税込3850円)は、インド・チェンナイにある出版社「TARA BOOKS」の全面協力のもと完成した、ハンドメイドの絵本です。
1994年に設立されたTARA BOOKSは、インドに古くから伝わる土着の芸術を取り上げ、民俗画家たちの作品を初めて本にした、パイオニア的存在。内容づくりから印刷、製本まですべて自分たちでおこなっているといいます。
お互いの顔が見える範囲の少人数で、自分たちが本当に納得できる仕事だけを丁寧に。それを徹底することで、デジタルが横行するこの時代にも、紙の本の可能性を世界へと示しているそうです。
そんな地道な取り組みと彼らにしか作れない美しい本に、良品生活が深く感動し、今回の絵本づくりが実現したんだとか。
インドから日本へ、境を超えて共存する姿
『みなそこ』の原書となったのは、2020年にインドで刊行された『The Deep』。
物語は、著者であるワイエダ兄弟の故郷であり、少数先住民族ワルリ族が暮らす“ガンジャード村”から始まります。そして高層ビルがそびえ立つムンバイを経由し、舞台は海の彼方の日本へ。
最後のページには、日本の粟島の海の生きものとガンジャードの川の生きものが描かれています。
“海水”と“淡水”の境を超えて共存する姿から、国や言語を超えて共鳴しあい、自然と生きる健やかな豊かさを感じられるはずですよ。
紙の良さが存分に詰まった1冊
TARA BOOKSが手がけた、本の素材や装丁も見逃せません。
再生コットンの紙を漉(す)いて染め、シルクスクリーンで印刷。仕上げにのりは一切使われていません。本をつくるすべてのプロセスが、インドの小さな工房で働く、職人さんたちの手しごとです。
水面のような表紙のマーブル柄も、1冊としておなじ模様はないのだとか。1点毎にエディションナンバーが入っているため、それぞれ世界で1冊だけの本なんです。
すっかり電子書籍が普及しつつある今だからこそ、“紙”の良さが存分に感じられそうですね。
読むとなんだかやさしくなれそう
本書の最後には、著者であるワイエダ兄弟から読者へ、こんなメッセージがおさめられています。
「川のいのち 海のいのち まだ見ぬいのち みんな みなそこで つながっている」。
遠いインドの地で丁寧に作られた絵本に触れることで、異国の地やそこで暮らす人に、想いを馳せてみてはいかがでしょう。
「みなそこ」購入ページ
https://muji.com/store/cmdty
MUJI BOOKS展開店舗
https://muji.com/shop/service/S028