おとめ座
やわらかさの秘密
充実感と自己信頼
今週のおとめ座は、「やはらかに人わけゆくや勝角力」(高井几董)という句のごとし。あるいは、充実感をもった振る舞いで、人と人のあいだを泳いでいくような星回り。
「角力」は「すもう」で、元来は秋の季語。試合に勝った力士が悠然と土俵をおり、その豊かな巨漢を喜びで揺らしながら、人の波をかきわけていく「やはらか」な振る舞いが目に浮かぶようです。
それにしても、人はどうして充実感を感じていると、振る舞いが「やはらか」くなるのか?
おそらくそれは、これまでの経験や努力が自分の血管を潜りぬけていくことで、はじめてはっきりとした意味を持ってくるからではないだろうか。つまり、意味を実感することで自分に血肉化したものを信頼するようになるのだ。
今週のあなたは色々な人とやり取りしていく中で、どれだけ自分自身を信頼できているかを否応なく痛感させられていくでしょう。
篤姫の場合
2008年に放送され、主演の宮崎あおいが注目を集めた大河『篤姫』のラストシーンにこんなセリフがあります。
「わたくしは、亡き家定様のお心を子々孫々に伝えることこそ我が道と思い定め、きょうまで歩んでまいった。そして、人の幸せとは、地位や名誉、まして財産などではなく、気のおけぬ友や家族とともに過ごす穏やかな日々の中にこそあるのだと思うておる」
このときの篤姫(宮崎あおい)もまた、やはりとても「やはらか」に感じられたものでした。彼女にとって天命とは、家族愛に貫かれたものとして自覚されていたのでしょうし、これも自己信頼のひとつのかたちと言えるでしょう。
今週は、自分はどんな言葉や動作をしているときに充実感を感じるのか、よくよく観察してみてください。
今週のおとめ座へのキーワード
天命を知る