おとめ座
加速度的な旅路
既に誰と旅をしているか
今週のおとめ座は、トールキンの『指輪物語』の第一部「旅の仲間」のごとし。すなわち、まだ自信もなく不十分な装備であっても、仲間と共に何かを成し遂げてみせようと奮起すること。
『ロード・オブ・ザ・リング』として映画化されたこの物語の冒頭、ホビット族のフロド・バギンズは成人となったその日に、何の因果か冥王サウロンの手先から逃れるため家から逃げ出すことで、旅は始まっていく。
世界支配を可能にする一つの指輪を譲り受けたフロドは、期せずして世界支配のための闘争に巻き込まれることになってしまったのです。
こうした状況や機運は、ここのところのおとめ座のあなたにもどこか重なるところがあるのではないでしょうか。
まだまだ確固とした自信や確信めいたものがある訳ではないけれど、少なからぬ喜びをともなう冒険へと繰り出していこうとし、あるいは気付けばもう既に足は旅程の最中にある。
そして何より、仲間がいる。
人選さえ間違えなければなんであれあなたの価値を高め、やがてそれを周囲に還元していくことができるはず。今週はそのつもりで、まずは道程を楽しんでいきましょう。
トランスに入る
「偉大な企業への飛躍をもたらした経営者は、まずはじめにバスの目的地を決め、つぎに目的地までの旅をともにする人びとをバスに乗せる方法をとったわけではない。まずはじめに、適切な人をバスに乗せ、不適切な人をバスから降ろし、その後にどこに向かうべきかを決めている」
など、『ビジョナリー・カンパニー2』ではしきりにバスの喩えが出てきます。
これはある種のハイになった意識状態の行動パターンにほぼ共通しており、「旅の仲間」はそうした精神状態での体験を分かりやすく例示してくれているのです。
例えば、3人のホビットの友人とともに指輪を持って家をでたフロドが、まず魔法使いガンダルフの助言にしたがい、追っ手に迫られたところをトム・ボンバディルのような謎深い人物に窮地を助けられ、次にガンダルフの友人であるアラゴルンと出逢って、さらに困難な裂け谷への道を案内してもらうといったように、次々と訪れる危機を仲間との団結や新たな仲間との出会いによってスリルにかえて、加速度的に物語を展開させていく。
それくらいスピーディーな展開の中でもいかにハンドルを握り続けられるかを今週は第一に考えていきましょう。
今週のキーワード
「何をするか」より「誰を選ぶか」