おとめ座
邪を祓う
破顔一笑
今週のおとめ座は、秘密の魔法としての笑顔のごとし。あるいは、自身の生活を覆いつくしつつある不安や恐怖を一掃していこうとするような星回り。
言いしれぬ恐怖がひたひたと心の平衡を侵していく感覚というのは、いったん感じ始めるとなかなかそれを食い止めるのに難儀するものですが、レイ・ブラッドベリの『何かが道をやってくる』という小説の主人公で、13歳になったばかりの2人の少年ウィルとジムにとってのそれは、ある日町にやってきたサーカス一座でした。
日本でも大正から昭和初期には、サーカスというと「人さらいの話」がイメージされていましたが、そんなどこか怪しげで魔術的な古き良きイメージを引き継いだ邪悪なサーカス団「クガー・アンド・ダーク魔術団」の<刺青男>は、彼らを奇形人間に改造してサーカスの団員にしようと、容赦なく着実に近づいてくるのです。
どこに隠れている? BoysのBの棚かな? Adventure(冒険)のAの棚かな? Hidden(秘密)のHの棚かな?…Terrified(助けて)のTの棚かな?
けれど、町の図書館長を務め、2人の少年の話を唯一信じてくれたウィルの父親が物語の強烈な秘密を暴いたとき、もう少しで怪しい霧に飲みこまれそうになっていた彼らは間一髪のところで危機を逃れます。そうして恐怖を一掃させて秘密の魔法は、じつは誰もが簡単にできる何気ない振る舞いにあり、ただ大人になるといつの間にかその回数も減っていき、何より思いきりしなくなってしまうものでもありました。
13歳という子どもと大人のはざまの時期にある彼らにとっては、まさにこの物語は人生の分水嶺であり、その点においては今のあなたにも同じことが言えるでしょう。では、それが日々から減ってぎこちなくなってしまうと恐怖が勢いを増し、こちらを取り込んでしまうところまで増幅するような“振る舞い”とは一体どんなものなのでしょうか。
2月24日に自分自身の星座であるおとめ座で満月を迎えていく今週のあなたもまた、ひとつ最近自分の顔から減ってしまっているものはないか、真剣に考えてみるといいかも知れません。
ほんのすこしの勇気
なんとなく嘘と分かっている嘘を思いきってシュレッダーにかける代わりに、無意識のうちに周囲に同調し、自分に対しても嘘を重ねるうちに、自分がどんどん萎縮していく。
そんなプロセスの中で鬱積していった本音や本能を一気に爆発させたら一体どうなるのか、それは誰にも分かりません。ただ、今週のあなたは、どこかでそうした日頃の「無意識的な同調」のタガを外していくことがひとつのテーマとなっていくはず。
ただ、かと言って重く考える必要もないんです。足りないのはほんのすこしの勇気。
作り笑いにつかう表情筋を止める勇気。
無言でその場を立ち去り、足を止めない勇気。
そして何より、公然と重ねられた嘘を笑い飛ばす勇気。
それは一度振り絞れば、後で「何てことなかった」と言えるものばかり。できるだけ肩の力を抜きつつ、自分の中に筋を通すためのきっかけを今週は意識して作っていくべし。
おとめ座の今週のキーワード
本音むくむく信念にょきにょき